子どもにそしてお母さんに、本やお話の楽しさを
2008年12月、「第14回子育て講演会」が日東子育て支援センターで行われ、(財)東京子ども図書館常務理事の荒井督子さんが「本の鎖を紡ぐために〜本の選び方〜」をテーマに語り、地域のお母さんや保育・教育関係者たちが耳を傾けた。
荒井さんは、子どもに本の楽しさを伝える「かつら文庫」の活動に長年携わり、昔話などを素話で語る「耳からの読書」にも力を入れてきた。講演ではその経験をふまえて「10歳前後は、ファンタジーの世界に入り込んで想像力を広げると同時に、物語から離れて独り立ちし『読者』へと成長する時期。優れた児童文学が目白押しなので、心ときめかせる年代にぜひファンタジーの魅力を味わってほしい。また低学年ぐらいまでは、昔話のように会話文の少ないお話のほうが混乱しなくて聞きやすい。読書は量よりも質が大事で、子ども時代に楽しんだ1冊がその後の人生で心の支えにもなる」と語った。
講演後、家庭での本選びについては「お母さんが読んで楽しいと思うものを選んでみては。目安として、新しいものに飛びつくより読みつがれているものがよく、図書館にある図書リストを参考にする方法もある。シリーズものもぜひ読んであげてほしい」とアドバイスした。
日東子育て支援センターには「日東なかよし文庫」があり、絵本の貸し出しや成田ゆき江園長による「おはなしの会」を行っている。また、成田園長が長く念願していた日進市立図書館が昨年オープンした。ベビーカーでも移動しやすい広めの通路、本を入れるカートの貸し出し、プレイルームや授乳室の設置など、子育て世代に配慮された施設になっている。
※かつら文庫:1958年に石井桃子さんが開設し、2008年3月に50周年。現在は東京子ども図書館の分室として活動し、月1回の開館日には大勢の子どもたちでにぎわう。 |
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