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いろいろな紙の音や感触を親子でのびのび楽しむ |
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ある木曜日の午前10時。愛西市佐屋児童館のグラウンドに、車体いっぱいに絵が描かれたマイクロバス「ゆめたま号」が現れた。 「ゆめたま号」は、いろんな遊びのプログラムをのせて、愛知こどもの国から子どもたちの待つ所へ出かけていく移動児童館。この日は、佐屋児童館で活動する親子サークル「のびのび」のために、乳幼児とお母さんが楽しむプログラム「かみであそぶ」を用意してやって来た。 遊戯室に集まった27組の親子は、移動児童館スタッフ3人と一緒に、まずは薄い紙を一人ひとり口にあてて「あー」と声を出したり、子どもの耳元で丸めたり。「どんな音がする?」とスタッフ。続いて、大きめの紙であおいで風を起こしたり、素足で紙の上を歩いて感触を楽しんだりと、遊びが展開されていく。 そして、いよいよ新聞紙の出番。クシャクシャに丸めた芯を何重にも包んで”キャベツ“を作り、親子でキャッチボールをしたと思ったら、次は全部ビリビリに破いて床一面が細長い紙吹雪の海に。それをみんなで寄せ集めて山を作ったり、何度もすくい上げて振りまいたり…。家ではなかなか味わえないダイナミックさに、親も子も夢中になって遊んだ。最後は、大きなビニール袋に紙吹雪をすべて詰め込んだら、床はきれいに片づいてプログラムは終了した。 |
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小・中学生や親子連れなど1日130人が訪れる身近な遊び場 |
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旧佐屋町など4市町村の合併によって誕生した愛西市には、佐屋児童館を含め6つの児童館がある。佐屋児童館では、市地域連絡協議会(旧母親クラブ)の活動が古くから活発で、ボランティアに積極的な影絵や演劇のサークルなど、現在7サークルがある。「お母さんの活躍のおかげで、子どもたちにいいものを提供できる」と成島順子館長は喜ぶ。 親子サークル「のびのび」もそのひとつで12年の歴史をもつ。お母さんたち自身が運営し、児童館のスタッフは工作アイデアの提供やオルガン演奏、子どもの世話などを手伝う。また、主任児童員が毎回参加して子育て相談や託児を担当している。 |
近所に小・中学校があり、新興住宅地も近いため、佐屋児童館の利用者数は1日平均約130人と多い。隣接する図書館に来たあとに寄ったり、閉館少し前に卓球などをしに駆け込んでくる子もいるという。乳幼児を連れたお母さんも自由に利用でき、大きい子がいても広い遊戯室のすみで子どもを遊ばせられる。 成島館長は「小学生が小さい子の相手をしてくれることもあり、最初は不安げなお母さんも様子を見て安心したり、子ども同士のふれあいを見て気づかされたりと、いい異年齢交流の場になっています。子どもが遊びに来たら必ず声をかけ合いますし、こちらがじっくり話すと子どもは心を開き、やさしさを見せてくれたりもしますよ」と語る。 子どもクラブが5つあり、囲碁・将棋やきり絵は、併設された「老人憩の家」を利用するお年寄りが手取り足取り教えている。 |
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