あのねっと今号の特集テーマ みんなで実現したい!子どもの安全 
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JEROME CATBAGAN さん
ジェローム・カトバガン

●2年前から名古屋大学大学院に留学し、交通工学を研究。英会話スクール「アイフォーユー」講師。マニラ出身。妻メリ・アンさん、長女ジーアナ・アムベルちゃん(8歳)、長男ジャレド・アドリちゃん(2歳)の4人家族。名古屋市在住。
アイフォーユー http://www.aiforyou.co.jp/

小さなおもちゃは与えない
 フィリピンでは、年上の人に対する尊敬の気持ちを大切にするので、子育てをするときもそれが基本になります。そして、しつけには厳しく、悪いことをしたときには「それはダメ」ときちんと教えます。
 日本では、小さな子どもがタバコを食べてしまう事故が多いと聞いて、ビックリしました。フィリピンでは、そういうことがあったとしてもすごく特別なことです。灰皿は触ってはいけないという教育をしますし、タバコや灰皿は、子どもがジャンプしても届かないところに置きます。子どもが飲み込んでしまうような小さな物は与えませんし、子どものおもちゃにはすごく気を遣います。
 マニラでは、学校への登下校はスクールバスか、親が送迎をします。防犯ベルなどは持たせていませんが、子どもには「知らない人に『お母さんから代わりに迎えに行ってと頼まれた』と言われても、付いていってはいけない」と教えています。
 フィリピンは貧富の差が大きいので一概には言えませんが、ほとんどの家庭が夫婦共働きです。留守の間は、メイドを雇える家庭ではメイドが家事や子育てをし、祖父母が同居して子どもの面倒を見てくれる場合もあります。保育園は公立と私立があり、公立は無料ですが、私立のほうがクオリティは高いです。
学校中心で、習い事は夏休みに
 フィリピンの公用語は英語とフィリピノ語(タガログ語)で、学校では国語や歴史など一部の授業がフィリピノ語で行われる以外は、すべて英語です。小学1年生からコンピュータを習うなど、勉強は難しく毎日たくさんのことを学ばなければなりません。私が3年生で習ったことを、今は1年生が勉強していて、教育レベルは上がっています。
 だから、勉強はもう十分という感じで、2時か3時に学校が終わったあと、塾や習い事に行く子はほとんどいません。4〜5月が夏休みなので、その間に空手やピアノなど好きな習い事をします。学校から帰ってきて宿題をしたあとは、女の子は人形遊び、男の子は外で自転車を乗り回したり、家でテレビゲームをしたりして遊ぶことが多いでしょうか。
 フィリピンでは、親戚同士のつきあいを大切にし、クリスマス・正月・誕生日にはみんなが集まります。私の家では、クリスマスには40〜50人が集まって、祖母と母が料理をふるまい、子どもたちは一緒に遊びます。今年は私の家、次の年は妻の家というふうに交互に集まるんですよ。
 ふたりの子どもたちには、本人の意志を尊重して、したいことをさせたいと思っています。もちろん、何でも完璧にできたほうがいいですけどね(笑)。

(通訳:アイフォーユー代表・角野詩苙さん)
妻のメリ・アンさんからひとこと
 フィリピンにいたときは私も働いていて、家にはメイドがいたので、料理はしませんでしたが、日本に来てするようになりました。彼は「料理は僕の仕事」なんて言っていますが、うそばっかりですよ(笑)。