あのねっと 今号の特集テーマ 子育て、親育ち  

いま活用したい!子育てサポートin高浜市
3.子育て講座「ノーバディーズ・パーフェクト」 自信を持って子どもと向き合うためにママたちがじっくり語り合う。
完璧な親なんていない

 子育て講座「ノーバディーズ・パーフェクト」は、「完璧な親なんていない」という考えのもと、親どうしが子育ての悩みなどをグループで話し合いながら、自分なりの子育てを見つけていくプログラム。高浜市では、0〜5歳の子どもを持つ親を対象に、託児付きの6回連続講座を年に1度、市の女性文化センターで開催しており、今年度で3年目となる。
 講座は週1回、各2時間。「ひとりで悩まないで」「心にゆとりがないとき」などをテーマに、ファシリテーターが参加者の思いや考えを引き出しながら、話し合いを深めていく。リラックスして講座に集中できるよう、託児は子どもの声が聞こえない別のフロアで行われ、話し合いでは参加者もファシリテーターも、子ども時代の愛称など自分が呼ばれたい名前で呼び合う。
 今年度は秋に開催し、12人のお母さんが参加。5回目のセッションでは、前半は「離乳食・卒乳」、後半は「義理の両親とのかかわり・子育ての周りの援助」をテーマに、4人1組になって話し合ったあとグループごとに発表した。9ヵ月の子どもを持つ平野京子さんは「みんなが私の話を受け止め、共感してくれるのでうれしいし、少し先輩のお母さんの体験談も聞けるので参考になる。前回は夫とのかかわりがテーマで、実際に夫への接し方を変えてみたら効果がありました」と話す。
 講座終了後も、参加者たちは悩みを打ち明け合った仲間どうしの絆を生かして、定期的に交流している。今後は、年1度の連続講座だけでなく、短期プログラムを市の親子対象の行事に取り入れるなど、より多くのお母さんの不安解消に役立てたいと考えている。

お母さんの気づきを引き出す
ファシリテーター古橋知美さん

参加者の皆さんに問題提起してもらい、そのなかで気づきが得られるように、ファシリテーターは順序立てて進行し傾聴しながら、皆さん自身のふり返りを促します。「安心した」「自分だけじゃない」「考えすぎだった」などの気づきが得られていますし、悩みに対して「うちはこうしている」といったアドバイス的な意見も出ます。また、いかに自分がまわりの人に支えられているかにも気づきます。それらの気づきが、一つひとつ心の中に落ちていくことが大切です。お子さんの年齢やお母さんの環境によって関心事は違いますし、悩みに対する正解はありませんが、幅広い意見は先々の子育てにおいて自分の心の支えになると思います。お母さんが自信を持って子どもと向き合い、親も子も自分らしく成長できる礎になれたらいいですね。

子育て講座「ノーバディーズ・パーフェクト」

「ノーバディーズ・パーフェクト」は、カナダ生まれの“親が親になる”ためのプログラム。プログラムの計画・実施は、翻訳テキスト「ノーバディーズ・パーフェクト」(全5冊・ドメス出版)や「完璧な親なんていない!」(ひとなる書房)を使用しながら、資格認定機関の認定を受けたファシリテーターが行う。
高浜市で活動するファシリテーターは現在2名で、来年度は4名に増員。参加者の募集は広報や育児相談・健診時などに行う。事前に参加者アンケートを送付して、参加の目的や解決したい問題などを把握し、話し合いの活性化に生かしている。