あのねっと 今号の特集テーマ 子育て、親育ち  

写真で「親子」を再確認する

 オズボーンさんは、「親子」をテーマとした写真撮影を始めて28年。「合理性と機能性が優先される世の中で、親子という基本的な関係を再確認することは、存在への自信を取り戻すこと。それは人類として地球環境を大切にする思いへとつながる」。そうした考えで1400組以上の親子を撮り続けてきた。
 引地伸二さん・芳子さん夫妻には、2歳の娘・舞利南ちゃんがいる。伸二さんは、舞利南ちゃんを撮影して作ったミニ写真集を、ケータイストラップにして持ち歩き、写真を見て元気をもらっているという。

舞利南ちゃんの緊張をほぐしながら

 撮影は、昨年10月4日に名古屋市内のスタジオで行われた。順番を待つ間、伸二さんは「プロの方に撮ってもらうのが楽しみです」。芳子さんは「ドキドキしています」。一方、舞利南ちゃんは緊張した様子で、不安そうなご両親…。
 撮影が始まると、やはり最初から「イヤ、イヤ」の舞利南ちゃん。ご両親が交代で抱っこしたり、一緒にピョンピョン跳んだりしてみても効果がない。そのあと、舞利南ちゃんが「おしまい。バイバイ」と言うので、それに合わせて大人たちもバイバイすると、表情が和らいで少し撮影することができた。小休止の間、オズボーンさんと一緒にお絵描きし、楽しそうな舞利南ちゃん。再開後もみんなで和やかな雰囲気をつくりながらシャッターを切り、撮影を終えた。

「娘がすごくいい笑顔で、うれしい」

 「家族のうれしい顔写真展」は、1月から3月にかけて県内6カ所のアピタとACCで巡回開催。オズボーンさんが撮影した20組の家族の写真と、セルフタイマーで撮影した家族の写真260枚が展示された。引地さん一家は1月30日、アピタ東海荒尾店での写真展に来てくれた。
 自分たちの写真を見た伸二さんは「撮影時はあんなに大変な思いをしたのに、娘はすごくいい笑顔。いい瞬間を撮っていただいて、うれしいです」と満足そう。芳子さんは「お子さんが大きい他のご家族が、いろんなポーズをされている写真を見て、私たちもこれからもっと、いろんな写真が撮れるなと思いました」と、舞利南ちゃんの成長を楽しみにする気持ちを語ってくれた。

撮影後、家ではしゃいでいた娘。楽しい経験だったようです。

【伸二さん】いつも写真を撮るとき、娘は自分で「3、2、1、カシャ」と言ってポーズをするんですが、撮影当日は緊張していたようですね。でも、家に帰ってからすごくはしゃいでいたので、本人としては本当に楽しかったんだなあと。写真が出来上がるのを家族みんなで楽しみにしていました。子どもを通していい経験をさせてもらったと思います。

【芳子さん】娘が泣いているとき、オズボーンさんが葉っぱに絵を描いてくれて、娘はとても喜んでいました。子どものころの写真は、娘自身が子育てするときのヒントになると思って撮り続けています。写真は風化することのない家族の記録。今回の写真も、あとから見たときに「いい経験をしたな」と思ってくれるのではないでしょうか。