あのねっと 今号の特集テーマ 「おいしいねー」いつも笑顔で食べたいな。  
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Luigi Stranieri さん
ルイジ・ストラニエーリ

●ナポリ出身。妻りかさんと長女マリナちゃん(8歳)・次女セレナちゃん(1歳)の4人家族。日進市在住。
※データは2005年9月現在のものです

昼休みはたっぷり3時間
 イタリアでは、朝8時から午後1時まで会社で働き、いったん家へ帰って4時まで昼休みをとったあと、また会社に行って7時ごろまで仕事をするのが一般的です。会社の近くに家を見つけるので通勤時間は短いんですよ。家族の結びつきを大切にするため、家族より仕事を優先する人は少ないと思います。
 学校も午後1時に終わり、クラブ活動もないので、家族みんなでお昼ごはんを食べます。ぼくが子どものころ、朝・昼・晩と食事のときはいつも父を中心に食卓を囲んでいました。主に母が食事を作ってくれましたが、食の国イタリアでは料理上手なお父さんが多く、バーベキューはお父さんの仕事ですし、ぼくの父はクリスマスに、パスティエラというナポリの伝統的なタルトを焼いてくれました。ぼくも料理が好きで、ラザニアが得意なんですよ。
 父は威厳があって怒ると怖かったんですが、日曜日にはぼくたち子ども4人と公園に行ったり、サッカーやフィッシングなどをして遊んでくれました。ぼくの母はずっと専業主婦でしたが、今は結婚しても働く女性がほとんどです。そのためか、最近は給食を出す小学校が増えてきているようです。放課後の子どもの面倒は、おじいちゃん・おばあちゃんが見ることが多いですね。
家庭も学校もしつけが厳しい
 子どものしつけは、日本より厳しいと思います。食事のときには、テレビは見せませんし、座り方は背中をまっすぐに伸ばして、テーブルに手や肘をのせてはいけないんです。「これ食べたくない」と言っても、「じゃあ食べなくていいから」とわがままは聞いてもらえず、残した料理は次の日に出されます。
 学校の先生も厳しかったですね。国教がカトリックなので、国公立の幼稚園や小学校の先生はみんなスオーラ(尼僧)なんです。教室の机を移動させるときに、引きずって音を立てるようなことは絶対にありません。勉強に集中させられ、特に芸術の勉強が厳しかったですし、各教科から宿題が出るので昼寝をしたあと4時間ぐらいかけてやりました。その代わり、夏休みは6月から8月までたっぷり楽しむことができます。大学は、勉強したい人ならだれでも入れるので受験戦争や塾はありませんが、卒業するのは簡単ではないですね。
 日本での生活は、お風呂以外はイタリア式です。食事は、イタリア料理も和食も食べますが、同時に両方がテーブルに並ぶことはありません。娘は、日本では日本語が出やすいですが、私とはイタリア語で話します。娘たちには、のびのびと育ってほしいですね。
妻のりかさんからひとこと
 ルイジは、冷蔵庫の中にある材料を使ってスパゲティを作るのも上手で、とてもおいしいんですよ。長女のマリナは、イタリアの幼稚園に通っていたことがあり、大きい子が小さい子の面倒を見る縦割り交流や、自由な半面、守るべきことをしっかり守らせる教育が印象に残っています。