僕も子どもが生まれたときそうでしたが、どうしても第三者的に見てしまい、かわいいんだけれども自分の子どもという実感がないんですよ。それに、お父さんは赤ちゃんが壊れそうな気がして、抱っこするのも怖々だったり、すぐにお母さんに渡そうとしたりします。
お母さんが本能的に子どもを愛する部分があるのと違って、お父さんの場合は子どもの世話をするなかで、だんだん愛着が大きくなっていきます。だから、お母さんは最初に赤ちゃんの抱き方をお父さんに教えてあげるなど、愛着を持つきっかけをつくってあげるといいですね。そして、できればお父さんもオムツ交換などを積極的にするといいと思います。
お父さんは、照れくさくて赤ちゃんを上手にあやせなかったりしますが、そういうときに赤ちゃんとふれあい対話するための道具の役割を果たしてくれるのが、おもちゃです。おもちゃを与えるときに一番大事なのは、子どもの発達段階に合っていること。だから、アバウトでいいので発達段階の知識があるといいですね。
おもちゃが実際の年齢より大きい子向けで発達段階に合っていないと、子どもは全く反応しません。それが顕著なのが、視覚ができあがっていない6カ月ごろまでの時期で、赤ちゃん用品は淡い色のものが多いんですが、実は淡い色は視覚に届かないんです。でも、この「白黒赤絵本」のようにコントラストが強いと視覚に届き、絵本を動かすと目で追ったり、機嫌のいいときには笑顔を見せたりもする。赤ちゃんが反応してくれると楽しいので、お父さんは赤ちゃんに会いたくて家に帰るのが早くなります(笑)。
そうして子どもへの愛着が生まれれば、そのあとはお母さんと同じような感覚で、子どもに接することができると思います。赤ちゃんが泣く原因も何となくわかり、もしオムツが濡れていたら自分で取り替える。それができると、お母さんから「ちょっと子どもを見てて」と言われてもストレスを感じないし、お母さんもすごく助かると思います。 |