あのねっと 今号の特集テーマ 「ほめる」子育て  
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さかくら・ゆうこ
親や保育者・教育者などを対象としたセミナー・講演を通じて、コミュニケーションのコツとプレゼンテーションの技術、ホスピタリティ行動術を伝える。静岡市在住。
コミュニケーションハウス
http://humanskill.info/
助けてもらう体験をする時期
子育て中だからこそ、子どもと家庭にこもるのではなく、社会と何らかのかかわりを持ち続けることが大切という考え方がありますが、どう思われますか。
 子育て中は、できるだけ子どもを連れて外に出て、人に助けてもらう体験をたくさんし、「助けてくれてありがとう」とお礼を言う時期だと思います。それまで、何でもひとりでやらねばと思い込んできた人は特に、人の手を借りる練習をする時期。年をとったら、自分自身が人の手を借りなくてはいけなくなるかもしれないので、そのための練習でもあります。子育て中は何かと「すみません」が多くなり、悪いことをしているような気になってしまいますが、「ありがとう」という言葉を口に出せば「いい人に出会えてラッキーな私」という気持ちになれますよね。自分が助けてもらったら、次の世代の人に返してあげればいいと思います。
 私は以前、保育士の資格を取りに行ったとき、試験会場に来た大勢の人を見て、子育てを手伝ってくれる人がこんなにいると思ったら肩の力が抜けて、子どもを産む決心がつきました。親類のいない名古屋で子育てをすることになったときには、子育てサークルに入って人とのかかわりをつくりましたし、町内会の役がきたときも、参加してみたら地域の人たちの働きがわかって面白かったですね。
 今は、仕事を続けることもできるし、やめたとしても別な形でチャンスが来やすい社会ではないでしょうか。オフィスにいなくてもできる仕事が増えてきたし、チャンスが来たときに一生懸命に仕事をすれば、それを見ていた人が次の仕事をくれるという形でつながっていくこともあると思います。
元気になれる方法を書き出す
リフレッシュしたり、やりたいことをするためには、どのように自分の時間をつくり出し、計画的に使っていったらよいでしょうか。
 自分の時間をつくり出すためには、「やらないこと」を決めることも必要です。すべてやらなくてはいけないことにすると、何だか知らないうちに1日が終わってしまいますから。今日やりたいこと、やっておいたほうがいいことを付せんに書いて貼っておき、終わったら「できた!」「えらい!」と自分をほめて付せんを移動させる。また、できるだけ人の手や食洗機など機械の力を借りるという方法もあります。そして、日々のことだけでなく、たとえば100歳までの自分の年表を作って、「いつ頃こうなりたい」「これをやっておいたら幸せ」「家族とこんな関係でいたい」という目標を長い目で考えてみることも必要です。
 リフレッシュするには、自分が元気になれる方法をあらかじめリストアップしておき、疲れたら何をおいてもそれをやってしまう、というのもいいですよ。私だったら、スーパー銭湯に行ってマッサージしてもらったり、家でとっておきの高級入浴剤を入れてお風呂に入ったり、おいしいシフォンケーキを食べたり。部屋の中がぐちゃぐちゃで「もうダメだ」と思ったとき、床だけはきれいにするなど、これができていれば大丈夫という自分なりのポイントを決めておくのもいいですね。また、自分の気持ちを聞いてもらうと元気になれるので、友だちに電話し、遠慮があるなら10分聞いてくれたら10分聞いてあげるなど交換条件を出して、お互いにカウンセリングしてみてはどうでしょう。
希望や予定を早めに伝える
「わたし流」を貫くには、家族との関係などさまざまな障壁があるのですが、どのように乗り越えていったらよいでしょうか。
 逆説的ですが、あまり「わたし流」にこだわりすぎないのが、かえって「わたし流」に近づく道だと思います。手助けしてくれる人をできるだけ多く確保しておくと同時に、誰かひとりが我慢することにならないよう、家族みんながOKのやり方を探していく必要があると思いますね。「子どもを犠牲にしたくない」という思いがあるかもしれませんが、子どもが元気に遊んでくれるなら、逆に人に預けることはいろんな人にかかわってもらえるチャンスという考え方もできます。
 家事などを人に任せる場合には、自分のやり方に固執せず、やってもらえるならOKというぐらいに考えられるといいですね。もし、自分の中でこうすべきと思っていることがあったら、「それは本当に〈べき〉と言うことなのか」と自分に問いかけ、苦しくなるようなら無理することはないと思います。
 家族間のいさかいは、前もって言っておかないから起きることが多いので、自分の希望や予定は早めに伝えておくことですね。仕事に復帰したいときも、早くから「子どもが何年生になったら働きたい」と言っておけば、まわりの人は心の準備ができます。
 私も出張で朝早く出かけるときは「何時の新幹線に乗るから、一緒に朝ごはんを食べるなら早起きしてね」と言っておき、そのために必要なことがあればあらかじめ用意しておきます。カレンダーに家族3人の予定を書き込んで、お互いの状況を把握できるようにしていますし、家族のイベントを最優先にして、その日のために今これをやっておきたいと言えば理解してもらえます。
 小さなことでも、自分が何をしたいのか、何が好きなのかに敏感になることはとても大事で、それをふだんから言っていると応えてくれる人が出てくるものです。また、自分が感じたことを素直に口に出せるとラクだと思います。たとえば、夫に急な仕事が入って家族で遊びに行く予定がダメになったときに、「断ればいいじゃない!」と攻撃的になったり黙って我慢するよりも、「すごく楽しみにしていたのに残念だわ」と素直に言う。そのほうが相手も申し訳ないという気持ちになり、「今度、絶対に行こうね」となって話が先に進みやすくなります。
 お母さんたちが求めている自分の時間というのは、自分ひとりだけの時間というよりも、自分が決めて実行できたことを「よかった」と思ったり、家族にも「よかったね」と言ってもらえるような時間なのかもしれませんね。人と一緒に暮らしていると自分の自由にはならないけれど、お互いに「よかったね」と言える瞬間を増やしていくことが、自分の元気や幸せにもつながっていくのではないでしょうか。
小1と2歳の子どもがいます。
引っ越しや小学校入学で環境が変わり、
その中で新しい人間関係をつくりたいのですが?
あせらず、まずは鏡を見て「いいお顔」の練習を。そして、2歳のお子さんとご近所の素敵なところを探しながら散歩し、ご近所の人に会ったらニコッと笑いかけてみましょう。小さなお子さんがいると、「かわいいわね〜」と声をかけてくださる方も多いので、「ありがとうございます〜」と言いながら少しずつ顔見知りを増やしていきましょう。小学校では、まずは参観会などで隣にいる人に「○○の母です。よろしくお願いします」と話しかけ、そして地域の病院やおすすめの遊び場などの情報を尋ねてみては。教えてくれることには感心して聞き、「すっごく助かりました。ありがとう」とニッコリ。幸せそうな人のところに人は集まってきますよ。
「ブログ」を発信してみたいので、ポイントや注意点を教えてください。
ブログのよいところは、身近な情報や体験を書くことで「それが知りたかった」という人の役に立てること。コメントがついたら、まめにお礼の返事をすると、いいネットワークがつくりやすくなります。誰でも読める公共の場なので人の悪口は書かず、腹が立っているときに書いたブログは、一晩寝かせ読み直してからアップを。また、子どもの写真を掲載するのは控えたほうが安全なので、掲載や配布はメンバーだけが見られるグループの中で行いましょう。
仕事で忙しい夫の休日を子どものためにつぶすのはかわいそうですが、
私もストレスでつぶれそう!
そんな夫に子育てに協力してもらうには?
「休みをつぶす」のではなく、「休みに子どもと一緒にリフレッシュする」と考えると、過ごし方の幅が広がります。お出かけも、温泉など癒し系の場所を選んだり、どうせゴロ寝するなら芝生広場の木陰も気持ちがいいものですよ。子どもを夫に預けたいときは、あらかじめ「次の日曜日にこれをしたいから…」と具体的に伝えるといいでしょう。また、ひとりになりたいなら、預ける相手は夫でなくてもいいし、それなら平日でもいいのでは?と考えることも可能。一時保育の利用も、自分のストレスや夫の疲れ具合と天秤にかけ、夫と話し合ってみてはどうでしょう。