子育て中は、できるだけ子どもを連れて外に出て、人に助けてもらう体験をたくさんし、「助けてくれてありがとう」とお礼を言う時期だと思います。それまで、何でもひとりでやらねばと思い込んできた人は特に、人の手を借りる練習をする時期。年をとったら、自分自身が人の手を借りなくてはいけなくなるかもしれないので、そのための練習でもあります。子育て中は何かと「すみません」が多くなり、悪いことをしているような気になってしまいますが、「ありがとう」という言葉を口に出せば「いい人に出会えてラッキーな私」という気持ちになれますよね。自分が助けてもらったら、次の世代の人に返してあげればいいと思います。
私は以前、保育士の資格を取りに行ったとき、試験会場に来た大勢の人を見て、子育てを手伝ってくれる人がこんなにいると思ったら肩の力が抜けて、子どもを産む決心がつきました。親類のいない名古屋で子育てをすることになったときには、子育てサークルに入って人とのかかわりをつくりましたし、町内会の役がきたときも、参加してみたら地域の人たちの働きがわかって面白かったですね。
今は、仕事を続けることもできるし、やめたとしても別な形でチャンスが来やすい社会ではないでしょうか。オフィスにいなくてもできる仕事が増えてきたし、チャンスが来たときに一生懸命に仕事をすれば、それを見ていた人が次の仕事をくれるという形でつながっていくこともあると思います。 |