あのねっと17号今月のテーマ 子どもの遊びと、おもちゃ・絵本
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子育て支援センター ファミリー・サポート・センター
 「子どもをちょっと預けたいのに、祖父母は近くにいないし、
近所に頼める人もいない」。そんなお母さんを手助けするために、
長久手町のファミリー・サポートは2002年にスタートした。
年間1000件以上の利用があるなど、着実に根づきつつある。
ファミリー・サポートは、子どもを一時預けたい依頼会員に、自宅で子どもを預かれる援助会員(または両方会員)を紹介するシステム。依頼会員は、有償で1時間から預けることができる。
 ながくてファミリー・サポートで最も多い依頼は、保育園・幼稚園や学童保育への送迎と送迎前後の援助。残業や早出をしなければならないお母さんが依頼している。また、自分の病気や冠婚葬祭、あるいは美容院に行ってリフレッシュしたいなど、依頼理由は多様化している。会員数は、依頼202人、援助30人、両方96人(2004年6月現在)。
 町児童課の横地直子課長は「仕事と家庭の両立支援や、育児不安を抱えるお母さんの支援が目的。依頼会員の条件や希望に合わせて、援助会員をコーディネートするアドバイザーの力が大きいですね」と話す。これまで依頼を断ったケースはなく、急な依頼にも対応している。
ながくてファミリー・サポートでは、会員登録のための講習会を年6回開催している。7月の講習会には、依頼会員と援助会員の希望者13人が参加し、システムの説明や、援助会員希望者を対象とした、幼児・小児の救命救急法の研修が行われた。
 夫の転勤で4月に引っ越してきた川端恵子さんは、10カ月の娘を会場隣の託児室に預けて講習会に参加。「夫婦とも実家が遠いので、何かあったときに子どもを預けられる人が欲しくて…。子どもがなじむかどうかは少し心配ですが、熱意のある方に預かってもらえるのは心強いですね」と期待する。
 また、託児を担当した援助会員第1号の松澤路子さんは「かつて娘が保育園でお世話になったので、恩返しをしたいと思ったのがきっかけです。最近は月に2〜3回、保育園へのお迎え後などにお子さんをお預かりし、家で孫たちと同じように接しています」。
 松澤さんは、近々3人兄弟を預かる予定があるため、定年退職した夫に協力してもらおうと会員登録を勧めた。この日、講習を受けた夫の彰美さんは「みんなで子育てを支えることの大事さを再認識しました。援助会員になるのは、60の手習いという心境ですが…」と照れながら語ってくれた。
「おばちゃんに迎えに来てもらうから、ママ、遅くなってもいいよ」。子どもを預けるお母さんにとって、何よりも安心できる言葉。依頼会員親子のこんなエピソードを紹介しながら、横地課長は感謝の気持ちを持つことの大切さを語る。
 「援助者がどれだけ気を配ってくれているかを、子どもは感じているんでしょう。依頼する親の気持ちは、巡り巡って子どもに返ってくるので、援助者に感謝の気持ちを伝えてほしいですね」。アドバイザーの石津さくさんは「親と離れる子どもに対しても、『いい子でいてくれてありがとう』と言葉をかけてあげてほしい」と話す。
 また、援助依頼を通して、祖父母世代の援助会員から子育てを学んだり、地域とのつながりが持てたことを喜ぶ声もあるという。
 ファミリー・サポートの今後について、横地課長は「利用者のマナーと、関わる人たちの小さな気持ちの積み重ねで成り立ち、使ってみて納得して広がっていくものです。この先、依頼会員さんには恩返しのつもりで、ぜひ援助会員になっていただき、システムがうまく循環していくといいと思っています」。
【連絡先】
愛知郡長久手町大字岩作字城の内99 長久手町役場西庁舎1階
長久手児童館内
TEL&FAX 0561(64)5280
午前9時〜午後4時(土・日曜・祝日、年末年始は休み)
【どんなサポートしているの?】
●援助会員の紹介
子どもを一時預かってほしい人(依頼会員)に、自宅で預かれる人(援助会員または両方会員)を紹介。利用するには会員登録が必要(登録無料)。預けられる子どもは、生後6カ月ぐらいから小学6年生まで。援助会員への報酬は、子ども1人につき1時間あたり700〜900円(2人目からは半額)。ガソリン代・食事代などは別に実費が必要。
●交流会
依頼会員と援助会員のふれあいとスキルアップを目的に、年2回(1月・7月)のミニ交流会とクリスマス会を開催。会員でなくても参加可能。
●講習会
依頼会員・援助会員になるための講習会を年6回開催。依頼会員は、長久手町在住者もしくは在勤・在学
者、援助会員は長久手町在住者が対象。
【情報誌】
会員の声や子育てアドバイスなどを掲載する
「ながくてファミサポ通信」を年6回発行。