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今回は「汗かくメディア」して公募が始まり10回目の節目として「汗かくメディア特別展〜汗かくメディア2016受賞作品公開展示+α」を行いました。
「汗かくメディア2016」の受賞作品三点はそれぞれが違った特徴を持った魅力的な作品となりました。また、過去の受賞作品の中から選抜された作者による作品も展示し、14日間の公開展示期間中、述べ約20,000人の参加者は過去最高となり、たくさんの子どもたちに新しい遊びを体験してもらうことができました。
(14日間の公開展示期間中に、約7,600人が新しい遊びを体験しました。)
◎trans-floor! —play ground
[IAMASメディアサイト研究会(高見安紗美、具志堅裕介、後藤良太、市野昌宏、大石桂誉)]
作品解説
体験者の行為に応じて反応する映像を床面に投影し、インタラクティブな空間を作り出します。体験者がセンシング領域に入ると、その位置に応じて床面の映像が、体験者の移動を誘発するように変化します。例えば、モノが逃げたり、音が鳴ったり、誰かと繋がったり…この「動きに反応する床」というメディアを用いて、移動そのものを遊びに変換することを試みます。
作家感想
今回の展示では、合計15種類のコンテンツを用意し、時間制で切り替える仕様にしました。コンテンツは、ゲームのようにルールと遊びをこちらが提供するものではなく、体験者自身がルールや遊びを考えるような場所にしたい、という思いで制作しました。
展示してみて印象的だったのは、子どもたちは原始的な部分でおもしろさを見出しているように感じたことです。私たちが意識しない部分に価値を見つけていました。例えば、映像を自身の服に投影させてテクスチャのように見立てたり、映像を特殊な照明のように見立てて踊るステージとしたりと、様々な遊び方を考案していました。プログラムの変化に子どもたちも映像と自身との間の関係性を臨機応変に上書きし、新たな遊びを考案していたように感じます。その点では、私たちの思いが届き、とても嬉しく思います。
子どもたちは次から次へとおもしろい遊び方を考案するのですが、それはその場限りのものでした。それが残らないのは勿体無いと感じ、遊び方を共有するため、展示期間中に、一度ワークショップを開催させて頂きました。
このワークショップでは、子供達と遊び方を考え、共有し、実践するということを行いました。彼らのアイデアを展示空間に掲示して残すことができ、遊び方を考える→共有する→遊ぶ、というサイクルが生まれました。私たち自身も「遊び方を共有するおもしろさ」を感じることができました。
◎A Mazeing!![からくりプロトタイパーズ]
作品解説
「アナログ的な遊びの魅力をデジタルによって高める」をコンセプトに作成した、Arduinoを用いた迷路です。扉や迷路の壁を移動させるスイッチを作動させてゴールを目指します。ビー玉を転がして遊ぶ迷路とよく似ていますが、違うのは迷路の形が変わることや玉がワープすることです。遊びとしては昔からあるものですが、様々なギミックが予想外の驚きや楽しさを感じさせる作品です。
作家感想
私たちは、当初から自分たちが楽しめる迷路を作ろうと考えていました。そして完成したのが、 複数人で遊ぶ巨大迷路「A Mazeing!! MEGA」です。完成するまでは図面上や小さな模型でしか 迷路を試しておらず、いざモノとして完成してみると操作がとても難しく、「子供たちはこれをク リアできるのか」という心配がありました。しかし、実際には子供たちが初対面の子同士で協力 しながら子供たちの力でクリアする姿を見ることができました。最初はみんな黙って鉄球を動か そうとするのですが、途中から「協力しないと鉄球は先へ進まない」ことに気づき、みんなで指 をさしたり相談したりして、コミュニケーションを取りながらゴールを目指す姿はとても良い光景 でした。(坂元)
事前に児童総合センターを見学させていただいた時、建物の中を元気良く走り回る子供たちの姿 が印象的で、この迷路を1人でじっと考えながら遊んでくれる子供は少ないかもしれないと心配し ていました。しかし、1日に何度も遊びに来てくれる子が何人もいたり、1人が遊んでいるのを並 んで待っている子供たちが食いつくように見ていて驚きでした。大人も後ろから興味深そうに覗 き込んでおり、親子で楽しめる迷路であったように感じました。また、ダンボールでビー玉迷路を 作ったことがあると言う子が多く、そのおかげでこの迷路を自然に受け入れてくれたのではない かと思いました。(鈴木)
◎あまもり[スイッチ]
作品解説
何もない空間の特定の場所にバケツやタライなどの物を持っていくと雫が落ちた音
がします。雫の落ちてくる場所を探す楽しさや、見つけた時の驚きを感じてくださ
い!受ける物によって音や水滴の落ちてきた感覚の違いも楽しめます。
作家感想
私たち「スイッチ」の作品は視覚に頼るものが多かったので、今回の作品は視覚に頼らず音と手の感触だけで楽しめるものを作ることに挑戦しました。
作品企画の段階では「本当に視覚を使わずに楽しむことができるのか」という不安があったのですが、展示を振り返ってみると、私たちが考えていた「音の些細な形跡をたよりに探す」ということと「子どもは体験したことのないあまもりを楽しみ、大人は童心に帰って楽しむ」というコンセプトにぴったりの反応を作品を体験されたみなさんが返してくれました。
突然バケツなどに落ちる雨の感触に驚いた顔をしたり、あまもりしている場所を見つけて思わず笑顔になったり、子供よりもお父さんの方が作品に夢中になっていたりと、年齢に関係なく、みなさんに楽しんでもらえていたと思います。会場では、親子同士だけでなく、友達同士や、その場で一緒に参加していた子ども達でコミュニケーションを取りながら協力して遊んでいる姿なども多く目にし、作品がコミュニケーションを産む場として機能していた事も印象的でした。また、展示期間は台風の時期で、実際に会場で雨漏りが起こるというハプニングがあり、リアルな雨漏りとバーチャルな雨漏りのコラボレーションという会場ならではの貴重な体験もしました。短い展示期間でしたが多くの方に作品を体験していただけて、私たちもとても嬉しかったです。ありがとうございました。
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