給食室のとなりの食堂では、4歳児クラスと5歳児クラスの子どもたちが一緒に食事をとっている。お替わりは各自でするが、山盛りにしてしまう子もいるので「ほかの子のことも考えてね」とさとす。いつもは野菜を残す子も、この日は取材スタッフを意識してか全部たいらげ、キレイになったお皿をカメラに向けて「ピカピカだよ!」と得意げだ。食べ終わった子から食器を戻しに行き、「ごちそうさまでした」と調理スタッフにあいさつしていく。
離乳食やアレルギー食もきめ細かく。
   0歳児の離乳食は、年度の途中で入園する子もいるので1年中用意し、5段階に分けて対応している。
 離乳食づくりについて北方さんは「煮ても繊維が残って食べにくい葉っぱ類などは、どのくらい小さく刻めばいいか微妙なんですね。だから週に2、3回、調理師自身が子どもに食べさせ、舌で送るときの表情などを見て判断しています」。
 また、家庭で作る離乳食についてのアドバイスとしては「あまり難しく考えず、大人の食事を基本に少し工夫する程度でいいんですよ。軟らかさが必要な9カ月ぐらいまでは、小さい子も食べられる野菜3、4種類をポトフのように煮込み、味つけする前に子どもの分を取り分けて肉やベーコンを入れて。7、8カ月までは味つけはいりません。10カ月前後になると、香辛料や油の多いものさえ気をつければ大人が食べるものもほとんど食べられます。おかゆはお米から炊くのは大変なので、ごはんの煮返しでいいと思います」。
 たくさんの子どもたちが集まれば、中には食物アレルギーが心配な子もいる。そうした子どもへの対応はどうしているのだろうか。
 「たとえば牛乳が苦手な子のクリームスープは、ホワイトソースの代わりにジャガイモをすりつぶしたり、コーンクリームを多くしたりして作っています。卵がダメな場合は白身魚のすり身とカボチャを混ぜて蒸し、表面にバーナーで焼き目をつけて卵焼きらしく見せたり。またお米が苦手な子には、キビやアワのごはんを用意しています」と北方さん。
 現在アレルギーをもつ子は10人ほどで、子どもごとに除去する食材名を書いた一覧表を作成。途中で治ったり、逆に発症したりすることもあるので、そのつど表を修正しながらきめ細かに給食づくりをしている。
各自でおかわりする4、5歳児クラス