編集部 |
ケース2の偏食や食べ方についてはどうでしょうか。 |
永坂先生 |
乳幼児期にいろいろな食物になじむ機会が少ないと、偏食に移行する場合があります。それに神経質で過敏な体質だと新しい食べ物を嫌うことがあり、最初に食べた時に「いやだな」と思った経験が影響する場合もあります。また子どもの言いなりに食物を与えるなど親の養育態度も原因の一つです。
偏食を直すには、何でも食べる子と一緒に食事をさせるとか、少しの量から慣れさせ食べられたら「よく食べたね」とほめてやるとか。あるいは空腹時を利用して食べさせたり、子どもが大きくなれば食事づくりを手伝わせて興味を持たせるのもいいですね。また何種類かの食べ物を食卓に並べて子どもに自由に選ばせると、一定期間のトータルでは必要な栄養をとっているというカフェテリア実験の結果もあるので、強制せずに見守る心のゆとりも大事でしょう。
食べ方がヘタとか、遊んでなかなか食べない場合には、初めは大らかな気持ちで待ってあげて、徐々に時間を切って励ましながら食べさせるといいかもしれません。遊び食べをするのは食事に集中できていないせいで、テレビを見せながらだったり、食事時間が不規則になっていたりしてないでしょうか。
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阪先生 |
幼児期の個人差としての好き嫌いと偏食は区別する必要がありますね。たとえばまだ奥歯が生えていないのに、生のレタスを食べないことは偏食とは言いません。かむ能力の発達は、生後1〜4カ月で「液体を飲める」、5〜6カ月で「ドロドロのものをパクパクごっくんする」、7〜8カ月で「モグモグして舌で食べる」、9〜11カ月で「歯茎でカミカミする」、そして1.5〜3年で「奥歯で上手にかむ」と進みます。また食べる量は発育・発達がよければ小食でもかまいません。 |
阪先生 |
それはかむ能力を獲得する練習をさせないからなんですね。赤ちゃんだからといって、いつまでも軟らかい物を食べさせるのではなく、離乳食をだんだん硬いものにしていって、かむことを覚えさせることが必要です。 |
永坂先生 |
しっかりかめないと食べ物の好みが偏って栄養摂取も偏るし、唾液の分泌が不十分なので食物の消化・吸収も悪く、胃腸に負担をかけます。またアゴの発達にも影響して歯並びが悪くなるという問題も起きます。よくかむことは脳を刺激し、子どもの行動を活発にさせる効果もありますね。 |
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