ケース1
成長期の子どもの生活が深夜型になったり、朝食抜きになったり。疲れやすく便秘で悩む子もいる。こんな生活で大丈夫?
「生活リズム」か、「父子のふれあい」か。
編集部  まずケース1のような生活習慣に関する疑問ついて、保健婦の永坂先生にお伺いしたいのですが。

永坂先生  幼児から小中学生まで、発育ざかりの子どもが朝食を抜くことが最近多いんです。私たちの生活がテレビ中心になって夜型に変わり、それが子どもにも影響して睡眠不足で慌てて学校に行ったりするのが原因です。そうして基本的な生活習慣が乱れると生体リズムが乱れ、体に不調をきたすことになり ます。
 健康的に食事をとるには、その人の身体状況に合わせて、生体リズムや生活リズムを調和させることが大切です。日常生活を規則正しくし、食事を三度三度食べるようにすれば、疲れやすさや便秘も解消されてくると思います。欠食や食欲不振の子には、ぜひとも早寝早起きの効用を体験させてほしいですね。

阪先生  生活リズムの問題は、お父さんの仕事の帰りが遅くて、つい子どもの生活も不規則になってしまう面がありますよね。だから家庭内の生活リズムを整えるには、子育て中のお父さんが仕事から早めに帰れるようにするなど、社会の側も父親への子育て支援をする必要があると思いますね。

編集部  その辺についてお母さん方、どうですか。

芳本さん  たしかに夫が夜9時とか10時に帰ってくると、寝かかっている子どもが車の音を聞いて「お父さん帰ってきた」と起きちゃって、寝る時間が遅くなることがあります。もっと早く帰るか、いっそのこと寝ちゃってから帰ってくれるといいんですけど(笑)。

高橋さん  うちは朝は一緒にご飯を食べるんですが、夜は子どもが寝たあとに帰って来ます。仕事の都合で土日はほとんどいないので、父と子のふれあいを考えると帰るまで起きていた方がいいのかもしれないんですが、私も主人も「子どもは9時に寝て6時に起きる」という方針なので、生活のリズムを守る方を優先しています。ただ子どもが大きくなって自分の世界を持つようになったら、父と子の関係はもっと希薄になると思うので、それを考えるとちょっと不安です。

永坂先生  たとえ10分でも真剣に話に耳を傾ければ、子どもは「自分を見ていてくれる」と安心するんじゃないでしょうか。

阪先生  子どもがある程度大きくなったら、お父さん自身が自分の状況を子どもに話すのもいいかもしれませんね。