特集 実感!!Special Edition
状況の改善につながる電話相談。
重症ケースは専門家チームが対応。

 子ども虐待には段階があり、その重症度は下図のように、「軽度」から「生命の危険」までに分けられる。親が自分のしていることに自覚的かどうかが、レベルの判断や対応策の分かれ目となる。「中度」以下は自覚があり、電話相談でSOSを発してくる層だ。「子どもなんかいらない。子どもは嫌い」という気持ちが強く、CAPNAのホットラインはそうした状況を改善するきっかけとなる。
 「子どもが嫌いと思うこともあるのが人間で、まずそれを言葉にし、そういう自分を受け入れて、なぜ嫌いなのかを考えていくことが必要です。電話相談で話していくうちに気持ちが整理されたり、楽になったりするんですね」と白石さん。
 ある程度、理性の働くレベルの場合はブレーキをかける人がいるだけで全然違い、「カッとなって叩いてしまう人も、夫が止めたりすると、あとで『止めてくれてよかった』とすごく思うみたい。そして、その人の大変さを察してあげたり、ちょっと補ってあげたりする人が身近にいるだけで、さらに気持ちにゆとりが持てるようになります」
 またCAPNAのホットラインは、第三者が虐待の疑いを持ったとき、匿名で情報提供できるところでもある。
 子どもの健康や生命に影響があると思われる「重度」以上の虐待の場合には、CAPNAは児童相談所に通報し、協力機関として活動していく。時には児童相談所や病院などから協力の要請を受けることもある。CAPNAは、ソーシャルワーカー・医師・弁護士・保健婦・保育士・教師など、子どもに関わるあらゆる人たちが、組織やシステムの壁を超えた人的ネットワークをつくり、ケースに応じた最善のサポートを行うためのキーステーションを目指している。

●子ども虐待の重症度
生命の危険…子どもの生命の危険がありうるもの。
重度…
今すぐには生命の危険はないが、子どもの健康や成長に重要な影響が生じているか、その可能性があるもの。

中度…長期的に見ると子どもに重い問題を残す可能性があるもの。

軽度…一定の制御があり、一時的なものと考えられるもの。

(虐待の危惧)
 (育児困難)…
(育児不安)
今は問題のない子育てをしているが、現状に不安や困難を感じているもの。


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