あのねっと 今号の特集テーマ 子育て、親育ち  

ジャスティン・パウエルさん
Justin Powell
メルボルン出身・37歳・英会話講師。高校時代に交換留学で初来日。1997年、3度目の来日で名古屋に。妻の登美世さん、5歳の飛(ヒュウ)くん、4歳の美亜菜(ビアナ)ちゃんと暮らす。
赤ちゃんと自転車の旅!?
 僕は子どものころ、柔道・テニス・フットボール・クリケット・水泳と、いろんなスポーツをさせてもらいました。学校に部活はないのでスポーツクラブに入り、特にテニスに熱中しました。また、友だちと一緒に自転車であちこち冒険し、危険なこともあったと思いますが、親に止められたことはないですね。夏休みの家族旅行では、車で1カ月ぐらいキャンプ場や親戚の家などをまわりながら、ビーチでよく遊びました。
 オーストラリアでは、赤ちゃんのころから自転車の旅を楽しんでいます。自転車のうしろにつないだトレーラーに赤ちゃんを乗せて走るんですが、毎年そういう家族が海岸に何千人も集まるんですよ。また、赤ちゃんを頑丈なベビーカーに乗せて、押しながら海岸をジョギングするお母さんもいます。子どもができても子どもと一緒にできる形で、今までの自分たちの生活を楽しみたいと考えているんですね。
夫婦タイムが欲しいときは…
 オーストラリアでは、出産が帝王切開でも2日ぐらいで退院するんですが、退院後は市の看護師さんが、いろいろとサポートやアドバイスをくれたりします。夫婦共働きが多いので、生まれてすぐに赤ちゃんをデイケアセンター(保育園)に預けることもありますが、私立なので保育料が高いです。子育ては夫婦が平等にやり、たまに夫婦のフリータイムをつくりたいときには、子どもを家族に預けたり、いとこに少しアルバイト料を払って頼んだりします。
 今年の夏、家族でオーストラリアに行ったときには、おばあちゃんに子どもたちの面倒を見てもらい、僕たち夫婦は妹や友だちと島で4泊5日のキャンプを楽しみました。
夢は北海道への移住
 日本でも僕はオーストラリア流で、トレーラー付き自転車に乗って家族で北区から東山動物園までサイクリングしたり、子どもたちと3人で山や川へキャンプをしに行ったりしています。
 日本の幼稚園や小学校では、子どもの安全や健康をしっかり考え、イベントもいろいろ行われるので、子どもを通わせるのが楽しみです。でも、中学生になって、受験や塾のために親子の時間が減ってしまうことには反対。子どもと一緒に過ごせる時間は限られているので、心身ともに変化し成長する時期に親としていろんなことを教えたいんですね。
 将来の家族プロジェクトは、大自然のある北海道に移り住み、動物を飼ったり、野菜を作ったりして暮らすこと。そうすれば、家族の時間が増えるし、子どもたちにフリーな冒険をさせてあげられる。僕は子どもたちにとって憧れの父親になりたいし、子どもたちには僕の人生を見ながら好きな道を見つけてもらいたいですね。
妻の登美世さんからひとこと
彼と一緒にいるだけで開放的な日々を送っています。私と真逆のことを言うので驚かされますが、結果的にそれが正しいので信じてついていくしかないのかな(笑)。子育ては私よりもよくやってくれます。北海道移住は、子どものことを考えると賛成ですが、近くに住んでいる私の親と離れる不安もあって迷いますね。