子どもとのかかわりで親がとまどうのは、今まで自分が把握していた子どもの姿と違うものが見えてきたときかもしれませんね。たとえば、自我が芽生えてきて「いや」を連発したり、自己主張するようになったときに、「親の言うことを聞かなくなった」とか「悪い子になってしまったのではないか」と心配になることがあります。
自己主張するようになることは当たり前の成長過程ですし、そもそも子どもは親とは別の人格ですから、思いどおりにはならないものですよね。でも、どうしても親は、子どもを「自分の一部」や「小さな自分」のように思っていたり、自分の思いどおりにできると思いがちです。そういう感覚を持ってしまうのは、現代の親子が密着していることに加え、「子どもをつくる」という言い方が象徴しているように、出産する時点から親の意のままになると思いやすい状況もあるからなんですね。
そうした現代の親子関係の中で、成長し変化していく子どもとコミュニケーションをとるには、親と子は違う人間だから、わからなくて当たり前ということを、改めて意識してみるといいと思います。そうすれば気持ちがラクになりますし、子どもの成長を頼もしく感じられるのではないでしょうか。また、いろんな親子とかかわることで、親も子もいろいろあっていいと実感できるかもしれませんね。 |