ケース4
はしかやおたふくかぜから水イボなどのちょっとしたものまで、子ども特有の病気について予防や対策があれば知りたい
子どもは大人より一枚、薄着でいい。
芳本さん  うちの子はいま水イボができているんです。お医者さんに診てもらったら「3カ月か半年もすれば自然に消えるけど、また繰り返す」と言われて放っておいたんですが、最近はかくので治療してもらった方がいいのかなと思っています。

高橋さん  うちの子も水イボができ、前に皮膚科で取ってもらったのに、また出始めて増えるという繰り返しなんです。水イボは飲み薬も塗り薬もないそうなんですが、漢方薬ではハトムギが体質改善のためにいいと言われ、いま飲んでいます。

阪先生  水イボの治療法は今のところピンセットでつまんで取り除くしかありません。かなり痛いし取ってもまた出ることがあり、放っておいても1年ぐらいで治るので、泣かせてまで取ることはないですね。漢方薬は効く人とそうでない人がいます。水イボは皮膚が弱いとできやすいので、予防するには皮膚の鍛錬が効果的だし、入浴してよく洗ったあと保湿剤の軟こうを塗るといいですね。
 はしかやおたふくかぜなど、ワクチンのある感染症を予防するには予防接種を受けてください。また月1回、新聞に愛知県の感染症情報が載るので、今はやっている病気を頭に入れておけば、疑わしい症状が出た時にすぐに医者に連れていけます。伝染病の中で最近また増えている結核には、乳幼児型と小学生以上の成人型とあり、乳幼児型は肺へいかずに髄膜炎を起こし、微熱やセキではなく高熱が出ることを覚えておかれるといいでしょう。
 子どもはたえず発育・発達しているという意味で、大人の病気とは違う見方をすることが必要です。病気にかかりやすく進むのが早いけれど治りも早いので、早期発見、早期治療がより大事ですね。

編集部  最後に、ほかにアドバイスがあればお願いします。

阪先生  昔に比べて厚着になっているのが気になります。生後6カ月ごろまでは体温の調節が十分にできないので、大人と同じでいいんですが、ハイハイし始めれば冬でも汗をかくので1枚少なめにした方がいい。それに病院内などでコートを着せっぱなしの子がいますが、汗びっしょりになり、そのまま外に出たらカゼをひくのは当たり前ですから、場所によって調節をしたり下着を替えたりした方がいいですね。

永坂先生  子どもが甘えたい時にそっぽを向くと情緒が不安定になってしまうので、そういう時期にはしっかりスキンシップをしてほしいですね。スキンシップひとつでも、親が自信をもってしたことは子どもの心に残るので、それぞれのやり方で自信をもって子育てをしていただきたいですね。

 
トーキング中、託児コーナーで遊ぶ。

(実施日/2000年12月9日)
子どもの健康Q&A あのねっとモニターさんから寄せられた質問に、
阪先生にお答えいただきました。
ぜんそくが出たときの対応は?
A 薬による治療と環境づくり・体力づくり(栄養・鍛錬)の3つが必要です。
鍛錬は皮膚の刺激(薄着・乾布摩擦)とウォーキングなどのスポーツ、腹式呼吸などを。
病院では対症療法的に薬を出されるが、 長期服用をしても大丈夫?
A 病気の治療には原因療法と対症療法がありますが、原因療法が可能な場合は限られます。たとえば流感の場合、原因のウィルスがわかっても特効薬がなければ対症療法になります。細菌感染症(肺炎や腸炎など)には抗生物質の内服が必要(7〜10日ぐらい)で、症状がなくなっても細菌が残っている場合は薬をやめてはいけません。長期服用が必要な場合は副作用のチェックをします。
食品添加物や遺伝子組み換え食品は子どもの体にどう影響する?
A じんましん・ぜんそく発作・低血圧・ショックなどのアレルギー症状を起こすことがあります。食品添加物には保存剤・防腐剤(亜硫酸塩・亜硝酸塩・安息香酸)、調味料(グルタミン酸ソーダ)、着色料(タートラジン)などがあります。また遺伝子そのものはアレルギーの原因にはなりませんが、遺伝子がつくるたんぱく質がアレルギーの原因になる場合があります。