特集 実感!!Special Edition
ディスカッションでわかり合える関係に。
岡田さん
 さて、子どもと離れて親同士でするディスカッションとはどういうものなのだろうか。
 「たとえ自分は話さなくても、みんなの話を聞いてるだけでいろんな人がいるとわかるし、さらに発言することで自己確認ができるんです」と岡田尚子さん。
 また、かつて親子教室の参加者で、現在スタッフの樽田まゆみさんは実感を込めて言う。
 「子育ての悩みを持つ者同士、ディスカッションで腹を割って話すことで、考え方は違ってもお互いを認め合えるんです。だから自分にも、そして他人に対しても優しくなれて、むやみに人を傷つけることがなくなるような気がしますね」。
  ディスカッションは、集中して話せるよう毎回テーマを決めて行っている。「子ども」「自分」「夫婦」「家族」「早期教育」が主なテーマで、それらに共通する話し合いの軸は「自分を見失わないこと」。また「いい母親にならなくては」と思い過ぎず、肩の力を抜いて子育てするようアドバイスしている。
 話し合いの進め方は、担当したスタッフがそれぞれ工夫する。例えば「夫婦」がテーマの場合、スタッフ自身のことを初めに話したり、子どもを持つ前や子どもの成長後まで話を広げたり。どこまで話すかは参加者しだいでスタッフはあえて追及せず、深刻な問題を抱えている人も、「この雰囲気なら」と思ったら自分から話すため、その時点で対応する。時には話が脱線することもあるが、そうしてディスカッションを重ねていくうちに、「これでいい」と自分を認め、他者からもその存在を認められるという経験をしていく。
樽田さん
親子教室(名東区)
樽田さんは「6〜7年前に親子教室に通って、ディスカッションしていた頃の『私のメモ』が今朝、偶然出てきた」と、驚きと懐かしさいっぱいの表情で、メモの内容を話してくれた。『私のメモ』とは、ディスカッション後の感想や、言い足りなかったことなどを書いて提出するもの。スタッフは、それを読んでお母さんたちへの対応について話し合い、思い違いなど気づいたことがあったら、後日そのお母さんに声をかけて話をする。そして、そのメモは1コース終了時点で1冊にとじて本人に返す。

「ディスカッションなど、教室でのスタッフの対応にハッとさせられたことがあるし、私が辛い気持ちでいる時にそれとなく声をかけてもらったこともあります。自分のありのままを受け入れてもらえ、母親を大事にしてくれていると感じましたね。スタッフが責任を持って関わってくれるので、気持ちがラクになり、親子関係も親同士も煮詰まらないですんだんだと思います」
と樽田さん。

「おとうさんも一緒に遊ぼう!」企画第4弾として、1999年12月5日に庄内緑地公園で開催された焼き芋パーティー。20組の親子が参加し、芋やリンゴが焼き上がるまで、ゴムを使った「貨物列車」や「トンネルくぐり」などで遊び、お父さん同士のディスカッションも行われた。
柴田さん

 「そういう感覚や経験を持った人がスタッフになり、言葉ではなく体感で伝えられるのも、まめっこのいいところなんですよ」と丸山さんは強調する。
 また、柴田恵子さんもディスカッションの良さについて、「同じテーマで話し合うと、会が終わってからも話が盛り上がることがあるし、それが親しくなるきっかけにもなるのではないかと思います」。
 親子教室の卒業後に数人でサークルをつくる人たちもあり、また先日開かれた同窓会では「引っ越してからも、自分の思いを話せる相手はまめっこで知り合った人」という声が聞かれたそうだ。本音でいろいろなことを話し合ってきたからこそ、わかり合える関係を築くことができたのだろう。


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