特集 実感!!Special Edition
自分を語れる関係づくり。
 ビーンズに参加するあるお母さんは、新聞に「アレルギー対応可」と書かれた、メンバー募集記事を見つけて申し込んだ。
 「うちの子は牛乳と卵がダメなんです。ほかのグループにも参加したことがあるんですが、おやつのことで気をつかい、つかわれ、行きづらくなって…。でもここだと最初からわかってもらえているので気がラクだし、栄養士さんに相談もできる。アットホームな人数で、お母さん以外の第三者の人がいてくれるのもいいですね」。「まめっこ」の人たちは子育ての頼もしい先輩だ。
「まめっこ」のメンバーと大学院生
 また、他の区から来ているビーンズのスタート時からの参加者は、「ここに来ると私自身が元気になれるし、子どもも喜んでいます。自分の言葉で話せる相手が、夫のほかにもいるのがいいと思う。上の子のことで悩んでいたときには、『まめっこ』のメンバーの方にFAXで相談にのってもらったこともあり、この場限りでないつき合いができるのもいい。新しく入ってきた人に対してもみんな心が広く、いい雰囲気ですよ」
 育児不安の解消について白石さんは言う。
 「親として自己形成するには、他人が必要なんですね。それに、本音を出し合える人間関係をつくることが大事で、そのためにはただ遊ぶだけでなく、自分を語っていかないと。ほかの親と出会い語ることの中には、語りながら自分を見つめ、確認できるという良さがあるんです。そうして自分の生活設計を考えられるようになる」
 ビーンズでは毎回、トーキングのテーマを決めている。テーマがあった方が話しやすく、日常との切り替えもできるためで、例えば昨年は「この夏の思い出を語ろう」「男の子らしさ!?女の子らしさ!?」「家族について考えてみよう」などについて話し合った。
 とかく「今の母親は〜」という非難の声が聞かれる現代だが、「できる力を持っている人は多い。ただ親性を育てる環境が貧困なのが問題」というのが白石さんの実感だ。


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