特集 あのねっと発「テーマトーキング」
0歳児から集団で保育できる場を地域に。
生田さん  種井さんのような方を、もっと子育ての場で活用できるといいと思いますよ。私は毎年、児童センターでやっている餅つき大会を手伝いに行くんですが、老人会の長老からいろいろ教わるんです。だから私も手返しの名人になりました(笑)。生活の中で、餅つきみたいな文化の伝承がうまくいってないけれど、子育ての文化の伝承もうまくいってないところがありますよね。子育てに余裕ができたら、地域の活動に関わるのもいいかもしれません。

種井さん  そういう地域の場は、年寄りを大切にする見本を示すいい場所ですね。年寄りは「ジジイ・ババア」と言われて、すみに押しやられますが、もっと生かしてほしい。そうすれば年寄り自身も嬉しいし、生きがいになる。そういう輪が方々へ広がるといいですね。

池崎さん  人生経験の長い人から、私たちにはない知恵を教わったり、子どもがいろいろ教えてもらえるのはいいですね。この前も、子どもに竹馬を作ってあげてと、夫に頼んだのだけれどできなくて、実家の父がわからないなりに作ってくれたことがありました。

垣内先生  子育てをめぐって、いろんな人が得意な領域を生かして、複層的に関わる機会がもっと増えるといいですね。  子育て環境の現状を考えると、初めての子を孤立した状況で育てるお母さんのつらさが、まだまだわかってもらえていないと思います。つらさを共有し伴走する人がひとりいるだけでも、ずいぶん気持ちは解放されるんじゃないでしょうか。  子育てには喜びもあるはずだから、つらさと喜びを共感し合える関係をたくさんつくるようにしたいですね。共感が得られて初めて「自分だけじゃない」と自信がもて、まわりに助けを求められますしね。  本来、子育ては母親がひとりでするものではなく、地域社会みんなの仕事であり喜びだったんですね。これからは、0歳児から何らかの集団的な保育の場を保障することが、求められていると思うんです。それに母親がときにはグチを言える場があってもいい。行政によるサポートはだいぶ進んでいますが、保育園をもっと活用するなど、さらに環境を整えることが必要ですね。 

編集室より
行政によるサポートのひとつに、市町村に整備されつつある子育て支援センターがあります。ぜひご活用ください。

『子育て支援センターの一覧』
●開催日/2000年1月


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