生田さん |
私が住んでいる地域は、どの家にどの子が住んでいるかもわかるような環境です。祭礼なんかでお菓子を配れば子どもが集まってくるし、何か問題が起きても、どこかのおじいさん、おばあさんがガガガと言えば終わっちゃう(笑)。でも、地域にそういう機能がなくなっているので、「どんぐり」のようなグループを人工的につくろうとするわけですよね。子ども会もそのひとつだと思いますが、強力に引っ張る人がいないと十分に機能しない。 |
深田さん |
地域の自治会や老人会も子育てに手を貸してくださり始めているようですが、マンション住まいだったり、新興住宅地だったりすると、地域での組織づくりは難しいですよね。 |
高橋さん |
私はいま子ども会の世話役をしているんですが、年間行事をこなすだけで精一杯という状況です。忙しい親御さんたちのことを考えると、行事の内容も子どもだけで参加できて危険の少ない映画会とかになってしまったり。秋にはドッヂボール大会をやるんですが、男の方に審判を頼もうと思っても、なかなか見つからない状態なんです。 |
生田さん |
子ども会の活動は、おまかせコースが多いですよね。私は、ボランティアで小学4年生から入れる少年団をつくっているんですが、そこでも親御さんは縦割り交流としつけをしっかり期待して子どもを預けるものの、手伝ってくれる人はほとんどいません。 |
脇坂さん |
遊ぶ場所がないと言っても、電柱を囲んで「ポコペン」や「だるまさんが転んだ」などはできますよね。で、危ないときには、大きい子が「危ないぞ」と小さい子の手を引っ張ったりして、大きい子たちからルールを学ぶような、異年齢の子ども同士の関係も必要だと思います。でも、現実は子どもの数が少なくて、子どもがいてもテレビゲームをしていたり、習いごとがあるからと帰ってしまったり。
それと、私が子どものころは秘密基地をつくって遊びましたが、そういう親の目から逃れる場所が今はあるのかなとも思います。 |
高橋さん |
私は上の子をボーイスカウトに入れているんですね。住環境の問題で遊ぶ場所や仲間を見つけにくいなら、時にはお金を出して、遊び場に変わるような環境を用意してあげるのもいいのではないかと思います。 |
小島さん |
脇坂さんの話に出た秘密基地は、「どんぐり」が手入れをしている雑木林の中にもできていて、以前こんなことがありました。雑木林の掃除をしているときに、粗大ゴミと思って片づけようとしたら、子どもが「それ、僕たちがつくった秘密基地なのに」って(笑)。「バレちゃって秘密じゃなくなったから、もう1回どこかにつくって」と言ったんですけどね。 |
生田さん |
親が見ていて安全だからやれるんですよね。 |
小島さん |
危険かなと思うこともあるんですよ。たとえば、子どもたちが「池の横に土管があって、そこをくぐり抜けるとどこかに出る」と話してるのを耳にしたときには、大丈夫かなと思って、そっと子どものあとをついて様子を見に行ったこともあります。 |
深田さん |
そういうふうに、大人の目がふんわりと子どもを包んでいる環境があれば、危険かどうか察知してあげられますよね。 |
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