「子どもと一緒に直す」が
モットーのおもちゃ病院。


 「おもちゃが壊れても捨てずに直して使い、物を大切にする心を知ってほしい」。そんな願いから、半田市の亀崎児童センターでは、図書室の一角を利用して「おもちゃ病院」を開設している。1983年の児童センター開館とほぼ同時期にスタートし、「診療日」には近隣に住む親子が壊れたおもちゃを持ってやってくる。今回のレポーター・伊原さんには、このおもちゃ病院の様子を中心に亀崎児童センターを取材してもらった。
亀井さん
 取材は、伊原さんが家から持ってきたおもちゃの具合を見てもらいながら進められた。
 
伊原さん「この犬のぬ いぐるみ、電池を入れても動かないんですが……」
 「診察」してくれるのは、半田市に住む吉武繁夫さんらボランティアのおもちゃドクター。メンバーのほとんどが定年退職した人で、みんな機械や電気に詳しく修理はお手のものだ。活動拠点は半田市のおもちゃ図書館で、亀崎児童センター以外にも知多半島の各地や名古屋市内に出かけていくという。
 おもちゃ修理のモットーは「子どもと一緒に直す」。ドクターのひとり、亀井孝志さんは言う。
 亀井さん「すぐに飽きたり、壊れたりして捨てることが多いようですが、直せばまた遊べるんです。子どもも一緒に直すとおもちゃに愛着が持てると思いますよ」
 
伊原さん「部品がいろいろあるんですね」
 
亀井さん「壊れた家電製品の部品をとっておくんですよ」
 
吉武さん「粗大ゴミは宝の山です(笑)」
 最近は電動式のおもちゃが多く、よくある故障は電池の液もれによるサビつき。電池を入れたまま放置しておいた場合に起きるが、磨いてサビを落とせば使えるようになるという。また、その日のうちに修理できない故障の場合は「入院」となる。
おもちゃドクター
(左から亀井さん、吉武さん、坂口さん、清水さん)
直った伊原さんのおもちゃたち
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