気軽にご利用くださいね!
時間外電話そうだん
育児もしもしキャッチ
夜間に、育児相談や母と子の健康に関する相談を、専門相談員がお受けします。
●受付/月〜金曜日(祝日・年末年始を除く)午後5時〜午後9時
●専用でんわ/
 0562・43・0555
●相談をお受けするのは/
 あいち小児保健医療総合センター
 
 
あのねっとリポート
子育てサポーターのための、同朋大学社会福祉学部公開講座
「スウェーデンから学ぼう!子育て支援の実際」

自信を持って子育てができるよう
親と子を支援する開放的なセンター作りを。
ブライアン・アシュレイさんの講演より
Brian Ashley
(ブライアン・アシュレイ)


イギリス出身、結婚してスウェーデン在住。 1970年代に誕生したスウェーデンの子育て支援センターに政府委員として関わり、地域の親と子に出会いの場を提供するための活動を指導している。専門は、保育者や教師を対象としたソーシャルワークの研究やトレーニングで、社会学・教育学者。
子どもの発達を最大限にうながすには、親が子どもと一緒に何かやることが大事。

 現代の都市社会では、子どもたち自身がしたい遊びを自由な方法で遊べるような、時間や場所が奪われてしまっています。遊ぶ場所があっても、子どもたちの活動を限定している場合が多かったり、子どもの遊びについても、大人が本質を理解していないことがあります。子どもの発達にとって自由な自己表現遊びは不可欠で、大人が子どもの意志決定能力を信じることで、その興味や自由な表現力はより成長します。
 さて、子どもの脳の発達に関する最近の研究によると、脳の神経ネットワークを上手に作るには、出生後3年間に適切な刺激が子どもに近しい人―母親やそれに代わる人―から与え続けられることが大事であると言われています。どうやればいいの?とよく聞かれますが、「両親といっしょに何かをやる」ことが大事なのです。共に体験するなかで、子どもが質問し親が答えるという刺激の繰り返しが、子どもを発達させます。一定期間を親と共に過ごして、基礎的な力が備わった時が保育・教育機関に入る年齢だと思います。だからそれまでの子育ての担い手は両親であって、自覚し自信を持って子育てができることが大事だと思います。
 しかし不運なことに、親は、子どもの発達や早期教育に自分たちはほとんど役立たないと感じて、専門家の考えをそのまま受け入れてしまい、子どもの重要な発達を担うのは保育や教育の施設であると思い込んでいます。

子育て支援センターの役割は、
家庭の近くで親を支援すること。


 また、家庭と地域や社会全体との関係が時代とともに変化し、地域社会が家族をサポートする機能を失い孤立したことも、親が子育ての自信をなくした理由のひとつです。それ故、親たちが外部からの支援を願うのは自然のなりゆきで、責めてはいけないことです。
 そこで考えられた援助がオープン・プレスクール(日本の子育て支援センターに当たる)という構想です。在宅で子育てしている親子が、彼らの発達を支援する環境のもとで、他の親子と出会う場です。地方自治体が提供するその場は、親子が参加しやすい距離にあり、自発的にまた必要に応じて参加できます。私の調査では親たちは、自分の子どもを他の子と遊ばせたいからというより、親自身が他の大人と社会的なつながりを持ちたいという理由で参加していました。
 ここでのサポートスタッフの役割は●親の子育ての熱意をくみ取る●「早期の学び」に関する知識を提供する●親たちが子どもを援助する能力を発達させていくのをサポートすることです。親である大人を歓迎し、親たちが心地よく感じるオープンなセンターを作ることが大切です。
(英語同時通訳/野崎由紀さん)

あのねっと編集室から
アシュレイさんへ
【Q&A】


日本には「3歳児神話」という考え方があり、仕事を辞めて子どもといつも一緒に家にいるケースが多いですが、それについてどうお考えですか?

A 確かに3歳まで緊密な関係づくりを維持することは大事ですが、ねばならない神話ではありません。むしろ子どもの面 倒の見方が問題で、あくまでも「子どもが人間として成長していくのを助ける」 ことが大事です。

例えば公園で子どもたちがオモチャの取り合いをしたような場合に、子どもへの親の対応が各家庭で違い、どういう「しつけ」が良いのか迷うという親が多いのですが?

A 親や家族が周囲から孤立していることが問題です。家族の中のモラルでしか判断できず、他の家族のモラルを知りません。先ほどのオープン・プレスクールのような場で、似たような親子同士が会って交流するチャンスが増えれば、「しつけで悩む」問題は解決されるのではないでしょうか。


ANONET LINEトップへ