今から70年ほど前、アメリカのニューヨーク近代美術館で、ビクトル・ダミコという人が、当時画期的な美術教育プログラムを展開していました。ダミコは、人は美術に関わることによって、子どもも大人も自分に自信を持って心豊かに生きていくことができると信じていました。時代も場所も違いますが、愛知県児童総合センター(以下、当センター)でも、アートを新鮮なあそびを生むきっかけと考え、積極的に関わってきました。1996年、当センター開館にあわせてビクトル・ダミコの考案したプログラム「アートカーニバル」を愛知県ではじめて行いました。子どもたちの感覚を解放し、自由に自分を表現し、それが一人ひとりの育ちにつながることを、多くの人々に紹介することができました。それから18年、当センターはたくさんのユニークなあそびのプログラムを生んできました。この夏、国立総合児童センターこどもの城の協力を得て、ダミコの考えたオリジナルのプログラムと、当センターがダミコの考えを参考に新たにつくりだしたあそびのプログラムが、「アート・あそび・キャラバン」として同じ空間にあらわれます。
このキャラバンでは、遊ぶと同時に、子どもにかかわるたくさんの大人(保護者や学校・幼稚園保育園の先生、児童館の職員、美術館博物館の人たち、子どものことを思う全ての人たち)にも、今一度、「子どもが健全に成長する」ということを、アートとあそびの視点から考えてみる機会にしてほしいと思います。
協力
国立総合児童センターこどもの城(公益財団法人児童育成協会)
名古屋芸術大学
あいちアートエデュケーション研究会
◎みんなであそぶプログラム
●ACCのあそびキャラバン
ダミコが考案した「アートティーチングトイ」を体験したり、ダミコをヒントにしたACCのあそびに参加します。子どもだけでなく、大人も「子どものこころを持って」一緒に参加してみてください。
とき:随時参加受付(10:00〜16:00)
■アートティーチングトイ(あそびのスタジオ2)
■ふしぎないきもの(あそびのスタジオ1)
■太陽のハタ(あそびのスタジオ1)
◎あつまるあそぶプログラム
●ダミコのアートキャラバン
1942年〜1969年にダミコが実施したアートカーニバルを体験します。大人は子どもの様子をじっくり見守ってみてください。
とき:土・日曜、祝日 13:30〜14:30
定員:定員15名
受付:30分前
◎たべる・あそぶプログラム
●まぜる
つくること、食べることそのものを楽しむプログラム。
食材をひたすらまぜるあそびです。
とき:会期中の日曜日 11:00-12:00
対象:家族
定員:6組
食材:卵、片栗粉、薄力粉、砂糖、牛乳、バニラエッセンス
受付:30分前、抽選
※プログラムの内容は予告なく変更する場合があります。詳しくは当日の館内表示をご覧ください。
◎特別対談
前田ちま子×三ツ山一志「21世紀からの、アートとあそびと子ども」
※台風11号の接近により特別対談は残念ながら中止となりました。
ビクトル・ダミコ研究の第一人者である前田ちま子氏と、長年子どもとアートの現場に関わってきた三ツ山一志氏による、これからの子どもたちの「育ち」にかかわる対談。
日時 | 8月10日(日)、13:30〜15:30 |
---|---|
定員 | 80名 |
場所 | 愛知県児童総合センター3F研修室 |
参加料 | 無料(ただし、愛知県児童総合センター入場料300円が必要) |
※前田ちま子(名古屋芸術大学美術学部教授)
※三ツ山一志(元横浜美術館副館長・こどものアトリエ創設者、現横浜市民ギャラリー館長)