1997年度アートと遊びと子どもをつなぐプログラム

◎アートスーツぽりすちゃー[正村和良]

アートスーツぽりすちゃーポリ袋をまとい、これまでに無い感触を体験することで、身の回りの物を改めて見つめ直すことが出来るプログラムです。このプログラムでは、物作りの過程や結果よりも、子供達が作った物と積極的に関わり、様々な形態・感触に気付いていく事が重要です。
また、「おもしろい」ことも重要な要素であると考えます。
子供達は、初めて体験する感触(ツルツル)に興味を抱き、自らの好奇心と探求心に従い館内・館外へと飛び出していきます。そして物の形態や自然や温度差に気付いていきます。そして物の形態や自然や温度差に気付いていきます。
彼らの1歩1歩に驚きと発見があるのです。

◎ワクワクわたしのボディアート肺ほうの森
〜わたしたちのからだの中はどうなってんの?〜[松下恭子]

ワクワクわたしのボディアート肺ほうの森「わたし」の体の中はどうなっているんだろう?という素朴な疑問からはじまります。それは、「わたし」自身の事をもっと知りたいという探求心から起こるものです。
「わたし」を探しに行く「わたし」の体の内側では、どんな事が起こっていて、どんな働きをしているのか。それを知るために、表面的な肉体の部分からではなく、普段見る事のできない肉体の内側の部分にこそ、事実があるのではないかと思うからです。その肉体の内側の世界を通して、内面的な世界(心の世界)を知ります。
子どもたちは、今まで知らなかった内側の世界、新たな「わたし」を発見し、その世界を、表現するという外の世界へと向かいます。内と外の関連性、それは無限なる生命体の可能性なのです。
「わたし」も宇宙も原子・分子から成立している「わたし」の中の原子・分子・無限なる宇宙の原子・分子そんな内と外との世界の共通点や相違点の中で子どもたちは、未知なる可能性の「わたし」に出会う事を目的としたプログラムです。
実際に「わたし」を解剖して体の内側を除くわけにはいきません。では、どうしたら「わたし」の内側の世界を知る事ができるでしょうか。
原子が分子になり、分子が細胞になり、細胞が身体の部分になり体の部分が「わたし」、細胞の「わたし」を構成しています。ですから原子・分子の「わたし」、細胞の「わたし」、身体の「わたし」そのすべてが「わたし」、なのです。そういった、子どもたちそれぞれの「わたし」の組み合わせから、人間の具体的な身体の部分を作ります。それは、身体が身体を越え、わたしが「わたし」を超えてできあがる、ひとつの生命体となってゆくのです。

◎鏡の国で遊ぼう[山口良臣]

鏡の国で遊ぼう鏡はこの家にもあり、大抵の子供たちにとって、ごく見なれたものでしょう。最近はあまり見かけなくなりました。三面鏡を覗き込んで、不思議な気分を味わった経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
アートの役割の一つとして、普段とは違った見方を体験するということがあると思います。鏡は、通常の見方とは違った視覚体験をするには、格好の材料です。しかし、大きな鏡を組み合わせて遊ぶようなことは、普通の家ではまず不可能です。今回の企画は、鏡をたくさん用意し、それらを組み合わせることで、様々な視覚体験の場を作り出すという提案です。鏡で囲まれた空間の中に入ってみる、組み合わされた鏡を通して、色々な角度から世界を眺めてみる。それらは、相当に不思議な体験となるはずです。