あのねっと 今号の特集テーマ 「ほめる」子育て  
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急な依頼にそなえて保育士が自宅待機
 「今日は子どもたち、何人来るかな」。
 名古屋市緑区にあるコスモスこどもクリニックに併設された「なずな病児保育室」の保育士・佐藤久栄さんは、毎日そんな思いとともに朝を迎える。
 なずな病児保育室は、当日の依頼でも病気の子どもを預かり、仕事を休めないお母さんたちの大きな安心となっている一方、受け入れ態勢づくりに苦労している。子ども2人に対し、保育士あるいは看護師1人をスタッフ配置の原則としているが、子どもの人数は当日にならないとわからず、年齢や病状によって部屋の分け方などの対応も変わってくるからだ。実際、利用者の約7割が当日依頼で、保育園で熱を出した場合など午後からの利用もあるという。
 そうした実状に対応するため、勤務する保育士5人のうち、2人が朝から常駐し、足りない場合に自宅待機する保育士が出勤するという態勢をとっている。
 保育室はクリニックの2階に3室。部屋の間仕切りをガラス張りにして、隣室の様子が確認でき、子どもに安心感を与えられるようにしている。1日の保育は、朝の診察結果をもとに個別のスケジュールで行う。安静にしながら楽しく過ごせるように、子どもの年齢に合わせて絵本や手作りおもちゃなどを豊富に用意している。子どもは病気が回復してくると動き回ってしまうため、安静が保てるように、スタッフは忙しくても穏やかな声かけやゆったりとした行動を心がける。
お母さんの苦しさを実感し、子育て支援をスタート
 なずな病児保育室は2001年に開設された。クリニックの前田敏子院長が勤務医時代、仕事と子育ての両立に悩むお母さんたちに接し、また自身も子育てを経験するなかで、女性の就労援助や子育て支援の必要性を感じたことがきっかけだ。「当初は、子どもが病気のときまで預けて仕事をしなくても、と風当たりは強かった。でも、親も罪悪感や預け先への不安があり、喜んで預けるわけではありません」と前田院長。
 利用する子どもの延べ人数は年々増加し、2002年の567人から2006年は1314人に倍増。緑区在住者が大半だが、他区や市外の在住者も約3割を占める。親自身も病気の場合や冠婚葬祭の利用もあり、1回の利用日数は1〜3日というケースが多い。
 保育士たちは、病気からくる子どもの不安にも配慮しながら、手厚くケアする家庭的な保育室づくりをめざしてきた。その過程では、せっぱ詰まった親を助けたい気持ちと、人数を制限して理想の保育を実践したい気持ちとのはざまで、ジレンマを感じた時期もあったが、今は乗り越えたという。
 なずな病児保育室が2004年に行った利用者のアンケート調査によると、回答した120人全員が「安心して仕事ができた」と答え、「仕事と子育ての両立に悩みイライラする親から子どもが解放され、家族が安心できる」という感想もあった。
「安心して子どもを託せます」
横田涼平さん・幸恵さんご夫妻 (お子さんは3歳と8カ月)
10カ月だった上の子がインフルエンザにかかったとき、初めてなずな病児保育室を利用しました。夫婦共働きで、親には頼れない環境ですし、何日も仕事を休めなかったものですから。この前も、水ぼうそうになってお世話になったばかりです。最長4日間お願いしたことがあります。朝10時ごろに預け、仕事は6時半に終わるので6時50分ごろに迎えに行きます。ベテランの保育士さんが多いですし、ミルクの時間などに配慮してくれたり、お迎えのときに1日の様子を教えてもらったり。プロの方に預けるほうが安心な面もある気がします。土曜日も夕方まで利用できるとうれしいですね。

病児保育室 名古屋市「なずな病児保育室」

【連絡先】
名古屋市緑区細口3-531 コスモスこどもクリニック内
TEL 052(877)7588
ホームページ 
http://www007.upp.so-net.ne.jp/nazuna/
【サポート内容】
●利用方法
事前登録(利用当日の登録可)により随時利用可能。前日あるいは当日に利用申し込み。保育室の利用前にクリニックでの診察が必要。診察の結果によって利用できない場合もあり。(水痘・おたふくかぜ・インフルエンザなどの感染症でも可)
●利用時間
月〜金曜日…午前8時〜午後6時(7時まで延長可)
土曜日…午前8時〜午後1時(前日予約のみ)
●定員
1日10名(年齢・病状により増減あり)
●利用対象
6カ月〜小学3年生の病児あるいは病後児
●利用料金
(利用料区分算定のため事前に書類の提出が必要)
・生活保護世帯と市民税非課税世帯…0円
・所得税非課税世帯…6時間まで1,000円、8時間まで1,500円、10時間まで2,000円
・所得税課税世帯…6時間まで2,000円、8時間まで3,000円、10時間まで4,000円
・午後6時〜7時(延長料金)は30分500円

※利用料金のお問い合わせは名古屋市医師会
 または名古屋市保育課まで。