アートと遊びと子どもをつなぐメディアプログラム汗かくメディア2024選考結果のお知らせ
愛知県児童総合センターは、屋内型大型児童館として1996年に開館し、常に子どもたちに新鮮な驚きと発見をもたらすあそびの開発を行なってきました。その一環として、開館以来「アートと遊びと子どもをつなぐメディアプログラム」として、アートの視点による新しいあそびの提案を永年、全国公募してきました。一旦公募に区切りをつけ、2019年募集再開を機に、さらに[アート]と[あそび]と[メディア]の原点に立ち返り、子どもたちが新鮮な視点で世界に主体的にかかわり、新しいコミュニケーションや表現を可能にするあそびのプログラムやあそび環境への提案を今後も期待し続けます。
2024年1月19日から3月15日まで『アートと遊びと子どもをつなぐメディアプログラム2024 汗かくメディア』と題し、さまざまなメディア(媒体)による作品の全国公募を行ない、25作品の提案がありました。
審査の結果、下記の3作品を、『アートと遊びと子どもをつなぐメディアプログラム2024・汗かくメディア賞』として選考しました。
選考された作品は2024年9月から10月中に愛知県児童総合センターで、子どもをはじめとした幅広い方々が体験できる参加型展覧会として実現します。
あみだま [内藤光穂]
■作品説明
編み物の魅力は、一本の紐に少し手を加えることで、それが複雑に絡まり合い、一つの形に変化していくことだと思います。しかし、その仕組みはとてもシンプルで、とても簡単なことの繰り返しなのです。
今回はただ「編む」ことを繰り返して一つの大きな編み物の塊をつくります。色々な素材をそれぞれのペースで編んでいくと、そこには一つ一つ違った編みの跡が残されて行きます。一本の素材が自分の手の中で形を変えていくのを楽しんだ後は、それを一つに組み合わせます。様々な編みの跡が、一つに集まったとき、そこにはどんな形ができるのでしょうか。
■プロフィール
愛知県立芸術大学、大学院にて彫刻を学び、2024年に卒業。
現在は作家として活動しており、様々な素材を編みながら「人格」をテーマに立体作品を制作している。
Translate a passage[ 森田明日香 + 山岸奏大]
■作品説明
一本の道の上を、ゆっくり歩いたり、すばやく駆け抜けたり、何人かで一緒に渡ってみたり。その道を行き来する私たちの姿が、そのときの体の動きに似た文字へと変換されます。
普段のささいな動きが文字として映し出されるとき、動きに潜む感情の動きや、その人にしかないしぐさがみえてくるかもしれません。
《Translate a passage》は、道行く私たちの動きを「翻訳」し、そこにある一節を読み解くあそびの提案です。
■プロフィール
森田明日香
2024年 情報科学芸術大学院大学[IAMAS] 修了後、愛知淑徳大学創造表現学部 助教に着任し、大量生産品をはじめとした日常の中で、目に留めないような「同一に見えるモノ」同士に潜んでいる差異に注目し、その差異を発見できるような表現研究を続けています。
山岸奏大
2024年 情報科学芸術大学院大学[IAMAS]修了、デザインエンジニア。
おばけの「ぴーぷぅーぽゎ」[小宮加容子+細谷多聞]
■作品説明
「おばけは変幻自在!」 人になったり、影になったり… 姿の見えない風にも音にもなれます。でも、おばけの本当の姿は誰も知りません。
このあそび場では、集める空気の量でかたちを変える大きなビニール製の袋を複数用意します。子どもたちが様々な「おばけ」を想像し、空気を集めて作りだし、関わりをもちます。空気の集め方や抜き方は自由に工夫できます。おばけの「ぴーぷぅーぽゎ」は、身体を使って「おばけ」との対話を楽しむあそびの提案です。
■プロフィール
札幌市立大学「きほんのきのかい」。
あそびのデザインやプロダクトデザイン、グラフィックデザインなど実践する中で、学生にデザインの「きほんの“き”」を学ぶ機会を幅広く提供しています。今回は教員である小宮(専門:ユニバーサルデザイン)と細谷(専門:プロダクトデザイン)が、それぞれの専門性を持ち寄り「あそびのデザイン」を試みます。