人形劇の世界に子どもも大人も魅了されて
人形劇「ねずみとおいも」
 2003年12月のある日曜日、午前10時。人形劇のステージが設けられたさくらぎ児童館の遊戯室では、小学生や親子連れ約120名が今か今かと開演を待っていた。
 この日は、さくらぎ児童館のクリスマス会で、そのメインイベントが地元ファンの多い「人形げき とんぼ」の公演。3つの演目が用意され、さっそく最初の人形劇「ねずみとおいも」が始まった。好物のサツマイモを取り合う3匹のネズミたち…。その騒動を、ひとりの人形つかいが人形を操り、声を使い分けて演じていく。表情豊かな声色に、笑い声を立てて喜ぶ子どもたち。
 続いてはパネルシアターに変わり、シアターを見ながら歌と手遊びを楽しんだあと、最後の人形劇「ぼくらはみんな生きている」を上演。看板キャラクターの「ぶた松くん」と「えん助くん」ら動物たちが、運動会の練習で玉 乗りに挑戦したり、シーソーを使って大ジャンプをしたりと、軽快なテンポで展開していく。笑いあり、見せ場あり、そして観客に手拍子を誘う演出ありで、イキイキとした人形たちの世界に子どもも大人も引き込まれた。
人形劇「ぼくらはみんな生きている」
「とんぼ」は、豊川市に住む山口まさ子さんら3人が結成する人形劇団で、市内の児童館・保育園・子育てサークルなどでオリジナル作を年25回ほど公演。山口さんは「子どもの反応を見ていると、その年齢なりに、しっかりと人形の心を読みとっているんだなと感じます」と話す。
「人形げき とんぼ」左端が山口さん
 人形劇の興奮も冷めやらぬなか、遊戯室にサンタクロースが登場。子どもたちは三角帽子をかぶり、全員で「メリークリスマス!」と言ってクラッカーを鳴らすと、一気にクリスマスムードに。ゲームや歌、ダンスを楽しんだあと、最後にサンタから子どもにお菓子のプレゼントが手渡された。
 児童館によく遊びに来るという小学5年の女の子たちは「人形劇がすごくおもしろかった。また見たい」と楽しんだ様子。1歳の子を連れたお母さんは「人形劇の声の使い方がとても印象に残りました」。また、「クリスマス会には去年も親子3人で来ました。今日も楽しかったですよ」という、2歳の子を持つお父さんもいた。
幼児に気づかいながら小・中学生が遊ぶ
左/山本館長
 「今日は誰が来てる?」。そんな声とともに、1日平均30〜40人の小・中学生がさくらぎ児童館に姿を見せる。桜木小学校の敷地の一角にあるため、授業が終わると同時に遊びに来たり、友だちと待ち合わせをしたり。卓球・バスケットボール・ブロック遊び・オセロなど楽しみ方はさまざまで、囲碁や将棋を地域のお年寄りから教えてもらう子もいる。
 親子の遊び場としても利用されているので、幼児と小学生が一緒に遊ぶこともある。山本里花館長は「小学生が小さい子の世話をしてくれますし、立てたドミノを小さい子に倒されても怒ったりせず、限られたスペースをうまく使って遊んでいます。心配げなお母さんには、『いい子たちだから』と私が間に入って取り持ったり。中学生が赤ちゃんを抱っこさせてもらっている場面 も見かけますよ」と話す。
 毎週火曜日には、未就園児と保護者を対象にした「親子で遊ぼう」を開催し、毎回35〜40組の親子が参加している。
 2002年にオープンしたまだ新しい児童館のため、山本館長は積極的に地域へ出かけてPRしている。「地域の皆さんに私の顔を覚えていただきながら、子どもと交流してもらえるようボランティア参加を呼びかけています。学校とも連絡を取り合っていますし、まとまりのある地域なので支えてくれる方は多いですね。これからも子どもがやりたいことを、どんどん取り入れていきたいと思っています」。
連絡先
豊川市小桜町17
TEL・FAX 0533(85)6787
どんな活動しているの?
●定例行事
・幼児・小学校低学年向け
運動遊び、工作遊び、おはなしの会、お年寄りと遊ぼう
・小学校高学年・中学生向け
パソコン教室、卓球教室(大会)、囲碁・将棋教室(大会)
・親子向け
親子で遊ぼう、親子でクッキング、親子で歩こう。

●季節行事
映画会、七夕会、夏休み教室、お月見会、クリスマス会、豆まき
施設概要
付帯施設
遊戯室・図書室兼プレイルーム・相談室・創作活動室・
集会室・地域交流スペース・児童クラブ室

開館時間
午前9時〜午後6時
休館日/水曜日・祝日の翌日・年末年始