ゆっくり楽しめる託児付き交流会。
 仕事の都合や外出などで子どもを一時預けたい人と、自宅で子どもを預かれる人。この両者を依頼会員と援助会員(または両方会員)という形でコーディネートし、幼い子どもを持つお母さんの力強い味方となっているファミリー・サポート・センター。かりやしファミリー・サポート・センター(以下センター)でも、2001年1月の活動開始以来、会員数・利用件数ともに増え続けている。
 コーディネート業務とともにセンターの大事な仕事のひとつが、両会員の親睦を目的とした交流会の開催である。これまで話し合いが中心だったが、会員の要望に応えて、おやつ作りを楽しみながらの交流会を企画。その会場におじゃましてみた。
 市民会館の調理実習室には、市の中部地区に住む依頼・援助・両方会員合わせて17名が集まった。子ども連れの人は、託児ボランティアグループ「ママハウス」が待機する別 室「カンガルールーム」へ子どもを預けに行く。「ママハウス」は、援助・両方会員の有志が「自宅での援助活動以外にも役に立ちたい」と結成し、市主催の講演会など、センターの行事以外でも託児を行っている。
 調理実習室では、お菓子作りの得意な援助会員の岩上さんと鈴山さんが講師になり、グループに分かれてチーズケーキと3色おはぎを作る。作りながら日頃の子育ての話になり、会員同士が自然に打ちとけている様子だ。
 「お菓子作りは楽しい。また企画してほしい」と話すのは、1歳の子どもを持つ依頼会員の犬飼由奈さん。「子どもを預けるのは不安でしたが、自分の母親ぐらいの援助会員さんに会って安心しました」。同じく依頼会員の山本祐子さんは「引っ越してきて実家も親戚 も遠いので、何かあったときに子どもを預かってくれる人が欲しかった。援助会員さんは頼れるお姉さん的存在」と語る。
 また、援助会員の中村聡子さんは、週に1〜2回、1歳の子どもを午前9時から午後3時まで預かっている。「小さい子どもとのふれあいを楽しみたいと思って会員になりました。お昼ごはんは、小学6年の娘が小さかった頃のことを思い出して、一口サイズのおにぎりなどを用意しています。交流会では、若いお母さんから相談を受けることもあるんですよ」 。
犬飼さん
山本さん
中村さん
納得できる援助会員を紹介。
後藤係長
山谷さん
 センターの会員数は、依頼487名、援助89名、両方73名の合わせて649名(2003年6月1日現在)。年間利用件数は3674件(2002年)に上る。トヨタ関連の会社が集まる地域なので働くお母さんが多く、依頼理由は保育園への送迎やお迎え後の援助が多い。また、スポーツや買い物など、お母さん自身のリフレッシュのために利用するケースも増えている。
 刈谷市児童課の後藤和江係長は「仕事と家庭の両立を望む人や、孤立した育児に悩む人を支援し、同時に子育ての援助を通 じて社会に貢献したい人の役に立てれば」と話す。
 依頼会員は、登録する段階で紹介された援助会員宅へ行って話し合いを持つ。児童課の山谷沙織さんやセンター・アドバイザーの金原祐子さんは「登録時には依頼会員から細かく希望を聞き、その内容や様子を判断しながら援助会員を紹介しています。もし合わなければ別 の援助会員を探しますので、気軽に言ってもらえれば。納得されてから預けてもらうようにしているので、安心していただきたいですね」と語る。
 援助の依頼は原則として前日までとなっているが、急な残業などで保育園に子どもを迎えに行けない依頼会員のために「保育園連絡システム」がある。あらかじめ登録しておくと、当日午後5時までにセンターへ連絡すれば、援助会員が代わりに迎えに行き、約束の時間まで子どもの世話をするというしくみになっている。
 センターでは、会員対象のおもちゃ作りの教室や誕生日会、誰でも参加できる「親子で遊ぼう」も開催している 。
連絡先
刈谷市神明町1-10 あおば福祉センター4F
TEL 0566(61)2720 FAX 0566(61)2721
午前9時〜午後5時(木曜日・年末年始は休館)
どんなサポートしているの?
援助会員の紹介
子どもを一時預かってほしい人(依頼会員)に、自宅で預かれる人(援助会員または両方会員)を紹介。利用するには会員登録が必要(登録無料)。援助会員への報酬は、1時間あたり600〜700円。ガソリン代・食事代などは別に実費が必要。

交流会(会員対象)
2003年度は、市の北部・中部・南部の3地区で6月に各1回、12月に3地区合同のクリスマス会を開催予定。仕事を持つ依頼会員のための交流会も11月の土曜日に予定。

講習会・ステップアップ講習会
援助会員・両方会員になるための講習会を年3回程度開催。講習内容は「子どもの安全と病気の世話」「救命救急」「子どもの遊び」について。ステップアップ講習会は年1回開催。

おもちゃ作り・誕生日会(会員対象)
おもちゃ作りは毎月第1水曜日、誕生日会は毎月第4水曜日に開催。

親子で遊ぼう

0〜3歳の子どもと保護者対象。体を使った遊びやおもちゃ作りなどを毎月第3水曜日、午前9時30分〜11時30分、アイシン精機社宅内の小山託児ルームで開催。
情報誌
「ふぁみさぽだより」
催し物の案内・報告、センターからのお知らせ、援助時のエピソードなどを掲載。季刊。