親子で楽しむ子育てサークル。
破田野さん
大津さん
服部さん
 「今日は外で自由に遊ぼう」。
 2000年生まれの子どもとお母さん15組でつくる子育てサークル「M-kids」のメンバーが、稲沢市西町にある「さざんか児童館」の庭に集まった。
 子どもたちは砂場で遊んだり、ブランコに乗ったり。お母さんは子どもを見守りながら、時々ほかのお母さんとのおしゃべりを楽しむ。
 「M-kids」は、2001年に開催された稲沢市主催の「親子ふれあい広場」に参加したお母さんたちが結成。稲沢市子育て支援センターのプレイルームを活動拠点にし、月2回の集まりでは、室内遊びや外遊び・季節行事・消防署見学などを企画して親子で楽しんでいる。
 共同代表のひとり、破田野瑞里さんはサークル運営について「メンバーを小グループに分け、年度始めにみんなで立てた年間活動計画にそって、各グループが月当番制で実施しています。強制するのではなく肩の力を抜いて、活動日が来るのが楽しみに思えるようなサークルでいられたらと思います」。
 メンバーの大津由美子さんは「親子ともに友だちを求めて参加しました。上の子がいるお母さんから、幼稚園の情報などを教えてもらえるのもサークルのいいところですね」。また、服部曜子さんはまもなく2人目を出産予定。「ここに来ればみんなで遊べる!という場所があるのはうれしいですね。出産後も、できれば同居するおばあちゃんに赤ちゃんを預けて、サークルに復帰したい」。
 支援センターでは、現在登録する6つの子育てサークルに、活動場所や遊具の提供、遊び方のアドバイスを行っている。どのサークルにも公平に対応できるよう、大まかな約束事を決めているが、「お母さんの自主性を尊重し、思いをしっかり把握してサポートしていきたい」と、支援センターの鈴木泰子主任保育士は語る。サークル同士で情報交換などを行うサークル代表者会を年2回開催している 。
プレイルームで遊びながら不安解消。
鈴木主任保育士(右)、佐野保育士(左)
プレイルーム
 支援センターでは、毎週月曜日にプレイルームを開放していて、1日平均30組ほどの親子が利用している。保育士が様子を見ながら、不安そうなお母さんには子どもへの接し方や遊び方を実際にやって見せたり、子育ての相談にのったりしている。
 プレイルームの開放について鈴木主任保育士は「お母さんにとって、だれでも気軽に利用できる公共の場という安心感が大きいようですね。ほかに遊び場が少ないんだなとも感じます。多くの方にプレイルームのことを知ってほしいので、市内の各保育園で実施している『親子あそび』の場へもPRしに行っているんですよ。悩み相談の電話をかけてきた方には、『一度プレイルームに遊びに来て』とお誘いしています」。
 子育てがマニュアルどおりにいかないことに不安をもつお母さんには、「『個人差があるから』というアドバイスでは納得してもらえない」と鈴木主任保育士は言う。  「お母さんは答えが欲しいんですね。だから、ほかのお母さんの体験談などを例にあげて、『こんなことも試してみたら』とヒントを与えてあげるようにしています。『子育ては大変だよね』『それでいいんだよ』と言葉をかけるだけで安心される方もいますね。また、家族関係にかかわるような深刻な電話相談などの場合は、継続して相談を受け付けています」。
 支援センターでは、ほかに育児講座や中高生向けの保育士1日体験なども実施している。また2002年10月には、支援センターの一角にファミリー・サポート・センターが開設された。
※ファミリー・サポート・センターの活動内容については、P12・13をご参照ください。 。