なりたい自分になるために、 仲間といっしょに 自分さがしから始めませんか? 女性の自立支援NPO「ウィン女性企画」 |
渋谷さん
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高橋さん
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重原さん
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気軽に話そう「おしゃべりタイム」。 思いを言葉にすることが第一歩。 |
「子どもから手が離れたら仕事がしたい」「お母さん同士とは違った仲間が欲しい」「女性学や男女共同参画について知りたい」…。そんな思いを抱く子育て中の女性たちにとって、何か行動を起こすきっかけになりそうなのが、ウイン女性企画主催の「おしゃべりタイム」。名古屋・栄にあるマンションの一室「スペースウイン」で毎週開催し、誰でも自由に参加して興味のあるテーマについて語り合える集まりである。 ある日の風景をレポートすると…。参加メンバーは30代から60代までの女性8人。この日、初めて参加した人は「私が住んでいる地域の閉鎖的な風土を変えていくために、知識を得たかった」と参加理由を話す。また、別 の人は「自己実現というのはいい言葉だけれど、もっとやさしい言葉はないのかな?」と疑問を投げかける。さまざまな話題が飛び出し、盛り上がっていく。 参加者の話を聞きながら、事務局スタッフの渋谷典子さんは、「今の専業主婦という立場や性差別 の歴史は、意外に新しいんですよ」「自立というのは、誰の助けも受けないことではなく、『help me』が言えることだと思う」と、女性学の知識や自分の考え方などを伝えて、話を深めるきっかけをつくる。また、話すことの大切さについても「こうして話をすると、本を読むのと違って実体験的にストンと体の内に落ちると思うんです。それに、自分の疑問や怒りを言葉に出すことで問題意識をまわりに広めていける」。 「おしゃべりタイム」では、フリートーキングのほかに、「仕事づくり研究所」や「健康づくり研究所」を開設し、経済的自立に向けた話し合いもしている。 |
「女も男もいきいき」がテーマ。 ゆるやかなネットワークで広がる活動。 |
ウイン女性企画は、「女性も男性もいきいきと暮らせるジェンダー・フリーな社会」をめざして、女性の自立をサポートするNPO。一人ひとりの能力を生かすことを最も大事にし、さらにネットワークを活用してビジネスから教育・研究、カウンセリングなどまで、幅広い活動を行っている。そのひとつとして、女性が能力を育て合い、それを社会で発揮できるように、さまざまな学習会や講座を企画・開催。名古屋市の生涯学習センターが主催するジェンダー関連講座なども担当し、メンバーがそれぞれの得意分野を生かして講師を務めている。 代表の高橋ますみさんは、設立経緯について「28年前、子育てと介護をしながら自分の生き方を模索していた頃、数人の友人と立ち上げた学習グループが始まりです。当時は高度成長期でしたが、主婦が孤立化し、せっかく持っている能力や資格を、社会で生かすシステムがないことに疑問を感じたんです。そして、執筆や講演・学習会などで活動を広げていきました」と語る。 ウイン女性企画のあり方は、ピラミッド型のタテ組織ではなく、メンバーが平面でつながる「ゆるやかなネットワーク」。それぞれがウイン女性企画に軸足を置きながら、自発性を大事にしてやりたい活動に取り組んでいる。「ゆるやかだからこそ、つながっていけるし、カッコイイな、おもしろそうだなと思うから始められるんですよね」とスタッフの重原惇子さんは言う。たとえ夫の転勤でこの地を離れても、行った先々で活動を広げていける。そうして海外にまで及んだ幅広いネットワークが財産になっている。 |
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