子育てサポート 実況中
 渡辺さんは「子どもや若いお母さんと会えるのが待ち遠しいんですよ。自分が願っていた老後になりつつある気がします」と、「子育て広場」を楽しみにしています。
 この日は0歳〜1歳の子どもとお母さんたち9組が集まり、初めにフィルムケースを使ってガラガラを作ったり、手遊びをしたり。お待ちかねの絵本の読み聞かせでは、渡辺さんが輪の中に入り、『いい おかお』(松谷みよ子著)を読みます。子どもたちがじっと聞き入る様子を見て「みんな聞き上手ですね。聞き手を育てるのも子育てのひとつ。同じお話のくり返しは、たとえば『もうすぐライオンが出てくるな』というような期待感を子どもに与えるんですよ」と渡辺さん。
渡辺さん
 続いて、マッサージや手足の軽い運動などの赤ちゃん体操をしたあと、再び渡辺さんが登場し、今度は『いない いない ばあ』(松谷みよ子著)を読みます。渡辺さんはお母さんたちに「この本は、ボロボロになるまでみんなが読むんですよ」と語ります。終了後には、渡辺さん手作りのお菓子とお茶が参加者全員にふるまわれました。
 4歳と1歳の子を持つ清水夢香さんは、上の子のときから毎週「子育て広場」に参加しています。「いろんな遊びを教わったり、絵本を紹介してもらったり。きらきら文庫で開催されるときには、帰りに絵本を借りていくこともあるんですよ」。
清水さん
 生後7カ月の子を連れた伊藤彩由実さんは「家では子どもと二人きりで過ごすことが多いんですが、ここではみんなと話せるのがいいですね。赤ちゃん体操は家でもやってみたいと思います」。
 また、孫の世話を引き受ける村松美枝子さんも常連のひとり。「子育ては30年ぶりで迷うことばかりなので、いろいろ学びたいと思って。若いお母さんや子どもたちと接するのはとても楽しいですね」。
 津具村は人口1776人(572世帯/2000年度)。子どもはみんな同じ小中学校に入る少子地域で、現在の乳幼児数は保育園児37人、未就園児23人です。支援センターでは「子育て広場」の支援のほかに、「年齢別育児座談会」の開催や未就園児へのバースデイカードの贈呈など、さまざまなサポートを行い、保育園も全面 的に協力しています。また渡辺さんだけでなく、子育てネットワーカーの河辺香苗さんも「子育て広場・おやつ教室」のアドバイザーとして、ボランティアで協力しています。
 4年目を迎えた子育て支援について、津具保育園・保育士の石田光代さんは「まだ試行錯誤の状態ですが、一人でも多くのお母さんと笑顔で話し、子どもが健康に育つように手助けしていきたい。
伊藤さん

村松さん

そして、小学校に上がったら終わりではなく、今の赤ちゃんが大人になるまで長い目で見ていけたらいいですね」。同じく保育士の石田由美さんは「育児に悩む気持ちが軽くなるように、お母さんたちの話をしっかり聞いてあげたいと思います」。

(取材日/2001年6月14日)
手作りのバースデイカードウサギの顔の部分に子どもの写 真を貼ってプレゼント。

保育士の石田由美さん(左)、石田光代さん

北設楽郡津具村字中林28 津具保育園内 
TEL (053683)2177 FAX(053683)2262 


【育児相談】
●電話相談/月〜金曜日 午前9時〜午後4時
●面接相談/随時受付
ほかに年齢別育児座談会や育児講座の開催、 子育てサークル「子育て広場」の支援、 保育園の園庭開放や運動会などへの参加も。

【子育て広場】
未就園児のお母さんたちがつくる子育てサークル。
●毎週木曜日 午前10時〜昼12時
●育児相談や親同士の情報交換などを行う「子育て広場」(ほぼ毎週)のほか、支援センター担当の「親子教室」(毎月)、渡辺さん担当の「絵本教室」(偶数月)、河辺さん担当の「おやつ教室」(奇数月)を開催。

【きらきら文庫】
児童書など約1500冊を公開・貸し出しするために、渡辺満洲子さんが8年前、自宅内に開設。子ども連れで自由に利用でき、渡辺さんが読み聞かせをすることもある。「子育て広場」への協力は支援センターが開設された3年前から。渡辺さんは長年住んでいた名古屋で、児童文学を読むグループ「波の会」の活動を続け、津具村に転居後も同様のグループ「語りの会」を結成。会では津具村教育委員会の後援で児童文学講座も開講している。
子育て情報誌「すくすく」
子育てのアドバイス、遊びや絵本の紹介、育児座談会の報告などを掲載。
年4回発行し、対象家庭に送付。