小さい頃、どろんこあそびをしたよね。さいきん、土や泥をじっと見たり、さわってみたことはあるかな。土の色は黒や茶色ばかりじゃないよ。てざわりや表情だって、さらさらやドロドロ、かちかちなどいろいろあるんだ。
きみたちのまわりの土をさがして、あそんでみよう。
幡豆町の左官・大嶽正志さんといっしょに、土のかべをつくったよ。
“左官”は家を建てる時などに、かべに土をぬる職人さんのこと。大嶽さんは、左官の仕事をもう35年も続けているベテランだよ。かべのいちばん奥には竹を組んだ下地があって、それを木舞と呼んでいる。そして、木舞の上に、土で下ぬり、中ぬり、上ぬりと重ねていってかべができあがるんだ。下ぬりの土がいちばんねんどに近く、中ぬり、上ぬりになるにつれて、砂の量が多くなる。この日、大嶽さんが作ってくれた木舞にみんなで土をぬってあそんだよ。
木舞
大嶽さんが下ぬりのお手本を見せてくれた。かべさしを使って投げられた土をこて板に受けて、あっという間にぬっていく。すばらしい技に、みんなびっくり。かべ土は、下から上へぬるのがコツだって。
下ぬりの材料は、赤土とわらと水を混ぜたもので、混ぜて2日ほどで真っ黒になる。ぬりたてのかべは真っ黒だけど、乾いてくると、だんだん茶色に変化していくよ。
はじめは泥だらけになるのがいやで、こわごわさわっていたお友だちも、だんだん楽しくなって、ぬるのがすごく上手になっちゃった。
 
コ・ホードマンの「砂の城」
コ・ホードマンは、カナダの映画製作庁NFBを代表する作家で、楽しいアニメーションをたくさんつくっているんだ。この「砂の城」は、彼のクレイアニメの代表作で、1978年にアカデミー賞を受賞したよ。砂から生まれた不思議な生き物たちが、みんなで砂のお城をつくる。完成したお城の前で楽しそうに踊るけれど、やがて、砂あらしが来て、元の砂へともどっていくというお話。ちょっぴり切なくて、ほのぼのと暖かい気分が伝わってくる作品だよ。