加藤さんが子どもたちに望むのは「泣くとか怒るとか、ありのままの自分を家でも保育園でも表現できる子になってほしい」ということ。最近、多発している少年たちの深刻な事件のことを考えると、子どもの自己表現の大切さを痛感するようだ。
また「もっと男性の保育士が増えてほしい。それは自分のためというより子どものため。男女がバランスよくいた方が、保育士たちの間にいい緊張感が生まれるかもしれない」とも思っている。伊左治園長も「男性保育士がいることで家庭と同じ雰囲気ができ、そのよさを保育に生かせるのでは」と考えている。
「自分の子どもができたら、その子にも自分なりの保育をしたい」という加藤さん。妻も保育士で別の園に務めている。「彼女の方が保育士としてずっと先輩。同じ仕事だと分かり合えるところがいいですね。家事は半分ずつ、お互いその時できることをやっています。仕事の負担が同じだから言い訳できません(笑)」。家事も“育児”も共有して助け合う素敵なカップルのようだ。
お迎えの時間になり、お母さんやお父さんが次々と園にやってくる。「ご苦労さまー」。加藤さんは今日つくった笹飾りを一人ひとりに手渡しながら、子どもの様子を報告したりして父母と会話をかわす。延長保育の子たちを除いてみんな帰っていき、忙しい加藤さんの一日が終わる。
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