特集 実感!!Special Edition
自己表現できる子になってほしい。男性が増え、よりよい保育環境に。
 加藤さんが子どもたちに望むのは「泣くとか怒るとか、ありのままの自分を家でも保育園でも表現できる子になってほしい」ということ。最近、多発している少年たちの深刻な事件のことを考えると、子どもの自己表現の大切さを痛感するようだ。
 また「もっと男性の保育士が増えてほしい。それは自分のためというより子どものため。男女がバランスよくいた方が、保育士たちの間にいい緊張感が生まれるかもしれない」とも思っている。伊左治園長も「男性保育士がいることで家庭と同じ雰囲気ができ、そのよさを保育に生かせるのでは」と考えている。
 「自分の子どもができたら、その子にも自分なりの保育をしたい」という加藤さん。妻も保育士で別の園に務めている。「彼女の方が保育士としてずっと先輩。同じ仕事だと分かり合えるところがいいですね。家事は半分ずつ、お互いその時できることをやっています。仕事の負担が同じだから言い訳できません(笑)」。家事も“育児”も共有して助け合う素敵なカップルのようだ。
 お迎えの時間になり、お母さんやお父さんが次々と園にやってくる。「ご苦労さまー」。加藤さんは今日つくった笹飾りを一人ひとりに手渡しながら、子どもの様子を報告したりして父母と会話をかわす。延長保育の子たちを除いてみんな帰っていき、忙しい加藤さんの一日が終わる。

 男性保育士がいると、保育士どうしにいい緊張感が生まれ、また家庭と同じ状況ができて、子どもによりよい環境になるのではないか、という話だった。さらに考えを進めると、男性保育士が当たり前にいる環境ができれば、そこで育つ子どもたちの男女の役割意識は、今とは違ったものになるのではないかとも言える。「男も女も子どもの世話をするもの」という意識を自然に身につけ、それをベースにさまざまな場面で、男女の枠にとらわれない自由なものの見方・考え方ができるようになるかもしれない。

※愛知県内の1998年度保育所実働者数は6,462名で、そのうち男性は12名。ただし名古屋・豊田・豊橋の3市は除く。

●4歳児(7月取材時)のデイリープログラム

保育はもちろん、室内外の環境整備や掃除、遊びや給食の準備、お迎えの保護者への応対など、保育士さんの仕事は一日中ぎっしりつまっている。

7:30登園開始
9:15リズムあそび
10:15プールあそび、課題活動(砂あそび、色あそび、運動あそび等)
11:15片付け
11:30給食準備、給食、描画活動
13:00午睡準備、午睡
14:30起床、雑巾がけ
15:00おやつ準備、おやつ、降園準備
15:45降園開始
16:00降園終了
18:30最終延長保育児降園


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