カーペットを敷いた遊戯室のフロアにすわる、お母さんたちと生後4カ月〜1歳2カ月の赤ちゃん。その輪の中に成田ゆき江園長が入り、「みんな大きくなったかなあ?」と再会のあいさつ。今日は2カ月おきに開かれる「にこにこ母さん教室・ひよこグループ」の日です。 成田園長は一組ずつ親子と向かい合い、子どもの名前を呼んで話しかけたり抱っこしたり。そしてお母さんに子どもの成長状況を尋ねます。「食べ方にムラがあるんです」「あせもができやすいみたいで」……。食事や病気、子どもとの意思疎通など、さまざまな心配事一つひとつにアドバイスしながら、「子どもの成長は行ったり来たりだから、あわてなくてもいいですよ」と語りかけます。 全員との話がすむと、成田園長のリードで手遊びや赤ちゃんマッサージをして親子のスキンシップ、そして紙芝居。あとはおやつを食べさせながら、お母さん同士でおしゃべりしたり、自由に遊んだりして過ごします。 この教室に参加した理由は「子どもに友だちをつくってやりたかった」「子どものことを話せる場が欲しかった」とさまざまです。参加してみて「子どもの年齢に合わせたことをやってもらえる」「先生に子どもを見てもらい相談できる」「先輩のお母さんたちの話が参考になる」と気に入っている様子で、「もっと回数があるといい」と期待しています。 センターでは、ほかにも体育遊びや子育て講演会などさまざまな催しを行い、園庭も開放。お母さんの中には、育児に疲れ悲壮な面もちで子どもを連れてくる人もいます。育児相談は、園内に相談室がないため隣のお寺の応接室などを使って受けています。 成田園長は「うちの園は門がないので入りやすいみたい。住人が増えマンションが増えて、弱くなった地域とのつながりを、お母さんたちは求めているようです。育児相談では、同じ話を何度もされるほど胸に詰まっている、つらい方も多いなと感じています。『聞いてくれてありがとう』と言われますよ」。そして「おんぶや抱っこをすると子どもが何を感じているか体でわかる。また、お父さんと一緒に家族で楽しいことをすれば、抜け道は見つかると思う」と悩むお母さんにエールを送ります。 より充実した子育て支援ができるよう、成田園長は4年後の開園50周年を機に、新たな施設の整備をしたいと願っています。 |
主任保母の鈴木先生(右) |
成田園長は一組ずつ親子と向かい合う |
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