言葉がけや引き込む場づくりを大事に。
児童館で夢中に遊んでほしい。


幼児教室での接し方について高橋さんは言う。
高橋さん 「引っ越してきたばかりでお友だちを求めていらっしゃる方には、『あの方も同じですよ』と言葉をかけ、仲間づくりをお手伝いさせていただいています。親子遊びでは、お母さんの集中力を途切れさせない工夫も大事ですね」。
 幼児教室の活動内容は、全市に13人いるカリキュラム委員が年間計画を立て、それに基づいて近隣の4つの児童館でつくるブロック会で話し合い、さらに宮西児童館独自の考えを盛り込んで決めている。幼児向けの遊び場としては、子どもの年齢に関係なく自由に参加できる「なかよし広場」もあり、そこでも「より楽しく親子で遊べるように」と、児童館スタッフが遊びを提供している。
 オープン17年の宮西児童館の上田義也館長は児童館の活動方針をこう話す。
上田館長 「児童館は時間・空間・仲間の3つの間を提供する場です。学ぶのではなく、裏表のない遊びに夢中になってもらうことが大切で、その結果 として学ぶことがあればそれもいいと考えています」。
「ふれあいまつり」などの季節行事のほか、毎月ゲーム大会などを開催し、流行を取り入れた「未来日記体験サーキット」や、狭いスペースでも体が動かせる「ジャンボピッチングマシーン」といった新しい遊びも企画している。また、そうした児童館行事には、母親クラブや子どもリーダーもスタッフとして積極的に協力している。
左から堀さん、上田館長、
高橋さん
(取材日/2001年1月18日)
 
「未来日記体験サーキット」や「ハム太郎作り」などで
使われたグッズ 
レポートを終えて                   前田靖子
 幼児教室に参加するお母さんの多くは、「子どもを通して自分の友達を増やしたい」という動機で通い始めたといいます。私も第2子の出産を機に子育てに専念しているので、「ママ友達が欲しい!!」という思いには共感が持てました。あるお母さんから「公園に行っても誰もいなくて帰ってきたことが何回もあったけれど、児童館では毎週この時間に来ればみんなに会えるから嬉しい」という話を聞き、なるほどと思いました。ほんの少し勇気を出して足を運べば素敵な出会いが待っているんですね。
 また児童館の職員の方の指導力には目をみはるものがありました。テンポよく言葉を投げかけ、子どもたちの心をどんどんつかんでいきます。知らず知らずのうちに会場に不思議な一体感が生まれ、私も引き込まれていきました。これも幼児教室の魅力なんでしょうね。
 児童館というと小学生が利用する施設というイメージを持っていたけれど、幼児を対象とした空間や時間を数多く提供していることを知り、驚きました。月謝を払っていろいろな教室に通う人もいるけれど、公共の施設ならほとんど無料!利用しない手はないですね。
【一宮市宮西児童館】
一宮市大宮4-6-13 TEL 0586(73)2877
●付帯施設/遊戯室・集会室・工作室・図書室・児童遊園 ●年間行事/ふれあいまつり・七夕まつり・クリスマス会・ひなまつりほか
●月例行事/ゲーム大会や図工教室など(月1回土曜日)
●教室/幼児教室(毎週水・木曜日AM10:30〜AM11:30、満2歳以上の幼児と保護者対象、各コース定員35組)・幼児体育教室(毎週水曜日PM4:15〜PM5:00、年長児対象、定員15名、保険料130円)・小学生体育教室(毎週木曜日PM3:45〜PM4:30、小学1・2年生対象、定員20名、保険料130円)
●クラブ/卓球・将棋・手芸・人形劇
●その他/なかよし広場(毎週金曜日AM10:30〜AM11:30、年齢制限なし、自由参加)・放課後児童保育・子どもリーダー養成・母親クラブ