2012年あいち大会の様子

 

 

第12回全国児童館・児童クラブあいち大会が無事終了しました。

北海道から沖縄まで全国各地から、

1,000人を超える支援者のみなさんにご参加いただき、とても感謝しています。

「専門性とプロ意識」をテーマに児童館・児童クラブ関係者だけでなく、子どもに関わる様々な方が、

地域や立場を超えた熱い想いを共有する2日間になりました。

 

 

■オープニングセレモニー・開会式

よさこい踊りのチーム「北名古屋発 夢☆列車」のパフォーマンスで始まったオープニングセレモニー。

鳴子を手にステージいっぱいに広がって踊る子どもたちの姿に元気をもらい、

あいち大会のスタートにも勢いをつけてもらうことができました。

のびのびとした子どもたちのパフォーマンス

 

開会式は、西澤章実行委員長の開会宣言に始まり、

財団法人児童健全育成推進財団の鈴木一光理事長が

「この大会は、0~18歳未満の子どもを通して見ることができるのは児童館だけであり、

遊びが発達に対してどれだけ有効かということを

理性的に説得させれるようになるための研究会でもある」と

挨拶を述べました。

 

また、ご来賓を代表して厚生労働省雇用均等・児童家庭局育成環境課の杉上春彦課長から

「実践を積み重ね、地域の子育て家庭にとって真に必要な拠点としての

役割を担うことが重要だと考えます。

この2日間を、児童館・児童クラブの役割を改めて考えるための、有意義な大会にしてもらいたい」と

祝辞をいただきました。

会場は超満員。参加しているみなさんの真剣な表情。

 

 

■基調講演

「笑顔で接すれば笑顔が返ってくる~テーマパークのホスピタリティ~」と題し、

ベストセラー「9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方」の著者であり、

JSパートナー株式会社代表取締役の福島文二郎さんにご講演いただきました。

 

「あたり前のことをあたり前にすることが小さな感動をたくさん作ることになる。

その積み重ねが予想外の感動を呼ぶことになる。」

「目指すべきゴールは “すべての来園者に幸福を提供する” というということを

スタッフ全員がはっきり認識してる。」

「スタッフがお互いに褒めあう文化、注意しあう文化があり、それが働きがいを作っている」

「ホスピタリティで一番最切なものは “一生懸命さ”。

お客さんをよく見る目配り、お客さんの気持ちをよく考える気配りが大切。」など、

“ホスピタリティ=相手に対する主体的な思いやり”  を、

キーワードにテーマパークでの取り組みやエピソードなどを交えお話いただきました。

 

これらの取り組みは児童館・児童クラブの様々な場面に応用し、活用することができ、

あいち大会のテーマである「プロ意識」「専門性」について深く考える時間になりました。

テーマパークでのエピソードを交えホスピタリティの大切さを話す福島文二郎さん

 

 

■ライブペインティング

絵本「あさになったのでまどをあけますよ」の著者で、

現在放映中のNHK朝の連続ドラマの題字やオープニングのイラストを描いた

荒井良二さんのライブ・ペインティングは、まさに「自由度、進行形、荒井良二の仕事」。

 

2m×3mの大きなキャンバスには様々な絵が描かれては塗りつぶされ、次々と場面が展開されました。

絵の具のチューブから直接キャンバスに描いたり、

筆ではなく手や段ボールの切れ端を使う手法も独特でダイナミックでした。

 

1時間はあっという間にすぎ、

「完成はしない。ライブペインティングって完成じゃなくて、

時間をを共有した者だけが知りえるディテール、細部、場面、色が共有できたら、それが一番楽しい。」

という言葉が印象的でした。

「筆を持つと絵が賢くなる。絵が賢くなるとつまらん。」

「大人と子どもの境目ってないと思う。いつも大人だったり、子どもだったりの部分が伸び縮みしてる。」

 

 

■分科会

全国の仲間達と少しでも多く話し合い、情報の交換や共有がしたいという思いから

分科会は2日間に渡っての実施になりました。

 

今の子どもたちや子育て家庭、児童館・児童クラブを取り巻く状況から浮かんできたキーワードをもとに、

「子どもの居場所づくり」 「親支援」 「企画力」 「職員の意識」 「中高生・思春期」 「コミュニケーション」

「子どもの参画」 「地域ネットワーク」 「こころの理解」 「男性職員」の10のテーマをピックアップしました。

様々な事例発表からの気づき、

ワークショップでのアドバイザーさんからの助言、地域や立場を越えてのグループディスカッションなど、

どれも充実した分科会となり、参加者からは「良い刺激になった」「現場に戻ったら、行動に移したい」などの

感想が聞かれました。

これからに私たちは何ができるのかを真剣に考えています

 

 

■出前じどうかん

-みんなのあそびば-  -まなびのあそびば-

開会式に先立って実施した出前じどうかん。

JR名古屋駅前広場での「出前じどうかん-みんなのあそびば-」 では、

突如出現した遊びのブースやステージに、道行く親子も興味津々でした。

「日本のどまん中であそびを叫ぼう!!」と、

全国から集まった児童館・児童クラブのイチオシの遊びやパフォーマンスが繰り広げられました。

会場では初めて会った子ども同士が一緒になって盛り上がる場面もあったりと、

秋の青空の下1,500人の親子に児童館・児童クラブの「遊び」を楽しんでもらうことができました。

 

また、ウインクあいち6階展示場では

児童館・児童クラブの職員を対象に「出前じどうかん-まなびのあそびば-」を実施。

普段から子どもたちが遊んでいる人気の遊びに込められた「思い」や「ねらい」を

500名を超える参加者が、楽しく真剣に体験し、学び合いました。

 

それぞれの遊びには「遊びのB級グルメコンテスト」として「でらおもしろいde賞」「そーきたか賞」

「マネしたいde賞」などのユニークな賞が、参加者の投票により贈られました。

親子で児童館イチオシの工作に挑戦

遊びに込められた「思い」や「ねらい」を体験

 

■交流会

交流会は、名古屋めしを楽しんでもらいながら、参加者に交流を深めてもらいました。

また、あいちのご当地クイズや、児童館ではギターやパーカッションで子どもたちと歌ったり踊ったりしている

館長さんと指導員さんのユニット「ザ・ジートニー」がミニライブを行い、大いに盛り上がりました。

大いに盛り上がった交流会で記念撮影

 

 

■スイッチを入れる会

参加者の中から10人に、大会二日間を通して印象に残ったこと、思いをステージで発表してもらいました。

 

「たくさんの人とつながった事を大切にしていきたい」

「このパワーを全国各地に持って帰って、子どもが中心になって輝く場所を作ろう」

「自らアクションをおこしたい」など、

発表と同時にその思いをボールに乗せて、参加者みんなで分かちあうために

ステージから会場に向かって投げてもらいました。

 

そのあとは大会スタッフも加わり、思いを乗せたボール2,000個が会場中に飛び交いました。

思いの乗ったボールを手にしたあとは、静かに2日間を自分の中で振り返り、

「明日に向かってスイッチon!!」の掛け声とともに、参加者全員で一歩を踏み出すために

自分の心のスイッチを入れるアクションをしました。

会場に飛び交う、赤、青、黄、緑のボール、ボール、ボール

 

 

■エンディングセレモニー・閉会式

エンディングセレモニーではあいち大会の公式テーマソング「ぼくらの児童館」を、

あいちの児童館が、全国の児童館が、ますます元気になるように願いを込めて歌いました。

この歌はあいちの児童館・児童クラブの職員の日頃の気持ち、子どもへの思いを言葉にしたものに、

ザ・ジートニーが曲をつけ演奏してくれました。

 

閉会式では全国児童厚生員研究協議会の千葉雅人会長から

「次回の全国大会を平成26年度に東京で」とサプライズの提案がされました。

育成財団の鈴木一光理事長、依田秀任事務局長、こどもの城の佐野真一部長もステージに上がり、

25年度に東北で復興支援フォーラムを、

26年度には全国大会を東京で開催することが参加者の満場の拍手で賛同を得て

今後の大会のあり方が示されました。

最後にはスタッフ全員がステージに上がってあいさつ

北海道から沖縄まで全国からたくさんの仲間がどまん中に集まりました

東北復興支援プロジェクトの一環「僕らは今を生きている ~東北の子どもたちからのメッセージ~」写真展

 

■大会を終えて

あいち大会はスタッフにとってはあっという間の2日間でした。

しかし、この日を迎えるまでの道のりは長く、大会のテーマや構成、プログラムの内容などが

なかなか決まらず、先が見えないことに苦しんだ時期もありました。

 

ただ終わってみて、この大会はスタッフだけではなく、

そのスタッフを送り出してくれた所属館の職員のみなさんや、

関わっていただいた関係団体やアドバイザーのみなさん、

そして全国から「どまん中」に集まってくれた参加者のみなさんで作り上げた大会だったと実感しています。

 

全国の仲間達と一緒に新しく一歩を踏み出したこの日をスタートにして、

これからも子どもたち、児童館・児童クラブのためにこのネットワークを生かした活動を

続けていきたいと思っています。

 

ご参加いただいたみなさん

応援していただいたみなさん

ありがとうございました。